国産ワクチンでも異変
新型コロナの治療薬は、富士フイルムなど数社が研究開発を進めている。しかし、米国のメルク社やファイザー社が開発済み。メルク社製はすでに英国で承認されている。日本政府は同社の製品160万回分を約1300億円で購入する意向だ。
日経新聞は「アビガンを実用化するには、効果などで先行薬よりも優れた点を示すことが求められそうだ」と書いている。
コロナに関しては、先ごろワクチンの遅れも報じられた。早くから開発に取り組み、治験でも先頭を走っていたはずのアンジェス社が、11月5日、治験で十分な効果を得られなかったと発表した。治験に参加した計560人分のデータを分析した結果、先行する米ファイザー製やモデルナ製などに比べて効果が低いことが分かり、最終段階の治験を断念したという。
新薬や新ワクチンの開発には膨大なコストやエネルギーを要するが、このところ「国産」の足踏みを伝える報道が目立つ。
ただし、塩野義製薬については、日経新聞は11月10日、「新型コロナウイルスの飲み薬やワクチンの開発に経営資源を集中する。約700人いる研究者の8割を新型コロナ関連に振り向け、飲み薬は2021年内の承認申請を、ワクチンは22年3月までの実現をめざす」と報じている。