タイ産の鶏肉を使った食品の日本国内販売に、販売縮小や品薄が起きている。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、タイの鶏肉加工工場の稼働率が低下しているからだ。複数のメディアが報じている。
取材を進めると、日本の大手コンビニエンスストアでホットスナックとして販売されているフライドチキンなどに一部影響が出ていると分かった。
店頭での販売数量を一時縮小
J-CASTトレンドがファミリーマート広報に取材すると、「ファミチキ」はタイで生産されている。同国での新型コロナ感染拡大の影響で、ファミチキの製造工場の稼働率が低下したことを受け、ファミリーマート店頭での販売数量は、11月9日ごろから縮小する方向で一時的に「調整」しているとのことだ。
フライドチキンの売れ行きが伸びるクリスマスの繁忙期を控えていることも、調整の実施理由だと広報。クリスマスシーズン中にファミチキが品薄とならないよう、現状から在庫を切らさないようにしているのだ。
なお、「一定数での供給は継続的に行っています」。店頭で「全く(ファミチキの在庫が)無くなるということはない」とのことだ。今後のタイの状況にもよるが、現状での数量調整は12月中旬ごろまで続く予定と話した。
鶏肉の需給バランスに乱れ
セブン&アイ・ホールディングス広報に話を聞いた。取材に対し、「セブン-イレブン」のホットスナックメニューの鶏肉食品もタイを原産としているものがあり、新型コロナの影響により「一部エリア」で一時的な供給の滞りが起きていると説明した。セブン-イレブンに限らず、食品業界の鶏肉食品では需要と供給のバランスが乱れている状況とのことだ。
ローソン広報にも取材した。「Lチキ」「パリチキ」「からあげクン」といった鶏肉のホットスナックメニューを販売している。担当者によると、「からあげクン」は日本国内で、それ以外のチキンメニューもタイ以外の国を中心につくっており、現状製造・販売に影響が出ているものはないとした。