「ひとの姿」が目新しく感じる
記者歴10年弱の間に、J助は何度か「大企業の会見」へ参加したが、ここまでアットホームな雰囲気は初めてだ。進行そのものは、現実のそれと大きく違わないが、どことなく柔らかい印象を覚えるのは、多様性あふれる世界と感じるからだろうか。
実はJ助、VR上での会見どころか、VR Chat自体も初体験だった。「身体」の操作はおぼつかないが、だからこそワクワクが感じられる。ふとあたりを見回すと、美少女もいれば、ロボットもいる。一緒に取材した同僚・J子はネコだ。それだけに、登壇した星野朝子・執行役副社長の、全身を3Dスキャンしたというリアルなアバターには、かえって目新しさを覚えた。現実社会だと、そっちが普通なのに――。
ギャラリー開設に向けては、VR界隈での著名クリエイターらが参加し、施設構築からアバター制作、BGMまで演出したという。会見当日の運営も、日産社員だけでなくVRクリエイターとともに行われていた。プレスリリースには、こう書かれている。
「日産は、VR コミュニティの一員として、その普及を応援するとともに、既存の枠組みを超えた新たな情報発信に今後も取り組んでゆく予定です」