「ジェンダーレスネーム」が流行っているという。「男らしさ」「女らしさ」を感じさせず、男女どちらにも付けられる名前だ。
2021年に生まれた子ども11万5687人を対象に、ベビーカレンダー(東京都渋谷区)が「名前に関する調査」を実施した結果、明らかになった。
「女の子のような名前」に変化?
発表資料によると、21年にランクを上げた注目のジェンダーレスネームは、以下だ。
凪(主な読み:なぎ、なぎさ)
翠(主な読み:すい、みどり)
「凪」は男の子の名前ランキングで19位、女の子の名前ランキングでは24位につけた。20年は男の子24位、女の子27位だった。「鬼滅の刃」の人気キャラクター「冨岡義勇」が使う技の名前が「凪(なぎ)」であることが、人気の理由ではないかと同社は分析している。
「翠」は女の子の名前ランキングで55位にランクイン。20年の圏外から大きく順位を上げた。男の子は20年に引き続き順位は圏外であるものの、20年に対して件数が3.1倍になっている。
また、特に伸びが如実だったのが「碧(主な読み:あおい、あお)」。男の子の名前ランキングで7位、女の子の名前ランキングでは48位にランクイン。20年は、男の子19位、女の子79位だったため、順位を上げている。
女性向け掲示板サイト「ガールズちゃんねる」で、ベビーカレンダーの調査結果についてのトピックが立ち、議論になっている。「ほとんど女の子のような名前」「漢字一文字が多い」などの指摘や、「男の子の名前がやわらかい響きになり、女の子寄りになったのでは」といった意見が見られる。また「何でもジェンダーレスにしないといけないのか」「男らしさや女らしさを出すことは、いけないのか」など、慎重な見方も示されている。
「五輪ネーム」も増加
そのほか、東京五輪で活躍したアスリートたちにあやかった、いわゆる「五輪ネーム」も増えている。注目は、新競技「スケートボード」の女子ストリートで、13歳で金メダルに輝き、日本史上最年少記録を打ち立てた西矢椛選手、銅メダルを獲得した中山楓奈選手。
西矢選手と同じ「椛(もみじ)」の件数は20年から2.4倍になり、「もみじ」というよみの件数も、昨年から1.7倍に増えた。中山選手の「ふうな」というよみの件数も、20年から1.6倍になっている。ベビーカレンダーは、
「『椛』も『楓』も美しい紅葉をイメージさせることから、20年11月に増加する傾向がありますが、西矢選手、中山選手の影響も相まってこれからさらに増えることが予想されます」
とみている。