「店員の態度が悪い」は昔の話
日本人が「ガチ中華」認定しても、中国人に反論されることもある。緊急事態宣言明けの先月、中国にゆかりのある日本人数人で都内の北京火鍋の店を訪れた。
食べ放題、飲み放題コースを選び、料理を注文しようと店員を呼び止めると、「ちょっと待って」と無表情であしらわれ、放置される。違うテーブルでボヤ騒ぎが起きて忙しいそうで、肉やビールを頼んでも、なかなか持ってこない。1時間半経つと「ラストオーダー」と言われたので、「料理全然持ってこないじゃん!」と抗議したところ、渋々延長してくれた。
私たちは「態度の悪さも中国だねえ」「さすが本場だわ」とおおらかな気持ちで受け止めた(日本の店でこれなら場の空気が悪くなっていただろう)。実際、ガチ中華と言われる店の食べログのレビューには「店員が不愛想なのも本場と同じ」などと書かれていることがある。
だが後日、東京在住の中国人女性に火鍋店の経験を話したら「あの店、中国人の間で評判悪いんですよ。店員の態度悪いし食べ放題なのに肉は出てこないし。ボヤ騒ぎは関係ない、日ごろからそうなんです。でもSNSマーケティングがうまくて、みんな1回行って後悔する。引っ掛かりましたね」と言われてしまった。彼女はさらに強調した。
「店員の態度が悪いってのは昔の中国の話です。今は競争が激しくて、サービスが悪い店はやっていけない」