オンライン会議もVR空間で アバターだから在宅勤務でも普段着のままで

目の前に相手が本当にいるよう

   Workrooms上で使うアバターを作成し、とうとうVR空間の会議室へ。

記者のアバターはこんな感じ
記者のアバターはこんな感じ

   気付くと自分用のテーブルとイスが用意されていた。大きな窓の向こうに緑が広がる、開放的な明るい会議室だ。一足早く入室していた東さんが、向かいの席についていた(画像1)。しゃべると口が動き、うなずいたりジェスチャーしたりと、かなりリアルだ。ビデオ通話よりも、相手との距離感がぐっと縮まって、本当に目前にいるよう。「マスクをつけなくていいのだっけ」と一瞬不安になるほどだった。

東さん「一度、設定を済ませてしまえば、とてもラクなんですよ。『何時にここに集合』と決めるだけで、URLを発行して共有したら、顔や服を整えたりする手間もなく会議を始められます」
記者「定員はありますか。このテーブルだと、5人くらい座ったらいっぱいになりそうです」
東さん「座席レイアウトを変更すれば、10人以上でも一度に座れます。大学の講義みたいに、一人が前に立ってホワイトボードを指し示しながら、横並びに座るみんなに向けてプレゼンテーションする、という形態も取れますよ」

   なるほど。東さんの話を書き留めたいが、どうすればよいだろう。いちいちQuest2を外して、現実のノートにメモ書きするのは手間がかかる。

東さん「せっかくなので、ホワイトボードに何か書いてみてください。手元にあるボタンを押すと使えますよ」
VR上の机にあるボタンを、指でつまんで動かす
VR上の机にあるボタンを、指でつまんで動かす

   Workroomsでは、コントローラーではなく手指を使って操作する(ハンドトラッキング)。「デスクホワイトボード」ボタンを選択すると、目前のデスクの一部が黒いボードに切り替わった。Quest2のコントローラーをペンのように持ち、さっそく書いてみる。

   このように、手元で描いた文字や絵はホワイトボードにも表示される。また、手元の「デスクホワイトボード」は全参加者でデータを共有しているため、例えば記者が書いた文字に、東さんが新しく絵を描き足すことも可能だ。

二人の合作(記者が文字を、東さんが絵を描いた)
二人の合作(記者が文字を、東さんが絵を描いた)

   ただ、たくさんの文字を、素早く書き留めようとすると難しい。Workroomsでは、自分のPCやキーボードをVR上に表示させて使うこともできるので、必要に応じて活用するとよい。なお、アプリをPCにインストールしたり、専用のキーボードを用意したりする手順が発生するため、ここでは省略する。

プロフィール
〇東智美(ひがし・ともみ)株式会社トーモ/株式会社往来 代表取締役
2009年、ウェブ・グラフィック制作を主要事業に東京都港区に株式会社トーモを設立。16年に自社ブランド「RAKUNI」をつくりスマホアクセサリーの販売事業を開始した。2021年3月にメタバースでのマーケティングや調査を手掛ける株式往来を立ち上げ、3月25日にエムディエヌコーポレーションより『仮想空間とVR』を上梓。
媒体やブロガーとのメディアリレーションを得意分野とし、自らも「flick!」「日経クロステック」などに連載を持ち、「FNNプライムニュース α」の海外テックイベントのレポーターを務めるなど、ネットや媒体を積極的に活用した販促活動を行っている。

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