韓国では戸籍廃止
今回の戸籍法改正は、国家の事務効率化が主たる狙いだ。そのため、特殊な読み方の名前が規制されるかもしれないことについて、反発の声もあると東京新聞は指摘している。
『天皇と戸籍――「日本」を映す鏡 』(筑摩選書)によると、最古の戸籍は670年につくられた。当時の戸籍は、徴税や兵役のために人民を管理する台帳であり、定住を促し、浮浪者を取り締まるという治安維持の狙いもあったという。
その後、平安時代になって戸籍作成は途絶えたが、明治維新で復活。1872(明治5)年、壬申戸籍が新たに編製された。同書によれば、「戸籍は、あくまで『下々』を登録するものだった」という。
戸籍制度は古代の中国に倣ったものだったが、現在でも維持している国はほとんどない。韓国では2008年に廃止。戸主制度もなくなった。新たに「家族関係登録簿」がコンピューターで自動作成されているという。
世界の潮流を考えると、日本でも将来、名前の「読み方」のみにとどまらず、戸籍の抜本的な改革が検討されることもありそうだ。