文字起こしと画像修正に強み
とはいえ、アップルもiPhoneには自社設計のSoCを搭載(iPhone 13の場合「A15 Bionic」)し、撮影画像の画質向上を含め、様々な端末内での処理にAIを活用している。
ただ、石川氏によると、AIの具体的な活用方法でグーグルとアップルには違いが存在する。例えば、Pixel 6でグーグルが押し出している要素として、撮影した画像に写り込んだ余分な部分を自然に削除できる機能(消しゴムマジック)がある。またカメラとは無関係だが、レコーダーアプリで録音した音声をすぐにテキストとして文字起こしする機能が、今回日本語に対応した。
文字起こしやこの画像修正機能もAIを活用した技術だが、iPhoneに標準で搭載されているアプリではこうした機能は存在しない。こうした部分で差別化されていると石川氏。
一方のアップル。カメラでの動画撮影時にAIが自動でピントを切り替え、映画のような映像が撮れる「シネマティックモード」をiPhone 13に搭載したりと、グーグルとはまた異なる付加価値を創出している。
今後PixelがiPhoneに対抗していくにあたり、ボイスレコーダーの文字起こし機能のように、AIを活用していかにユーザーを引き付ける、アップルとは違った魅力を多く出せるかがポイントになるとした。
ただ日本市場の場合、アップルファンは数多い。また楽天モバイルとNTTドコモではPixel 6の取り扱いがないなど、販売力に差がある。現状はiPhoneに対抗するのは難しいのではないかと石川氏は分析した。