豚骨ラーメンのようなスープを味わえる「缶」がある。ラーメン専門店「一風堂」が監修する「コクと旨味の一風堂とんこつラーメンスープ」だ。JR東日本の駅内自動販売機「acure(アキュア)」で、2021年10月12日から発売されている。
「一風堂のとんこつスープを、缶スープ用に飲みやすくアレンジ」したという。ツイッター上では、自販機で売り切れていたとのたびたび報告が出ている。この缶スープ、麺を入れればそのままラーメンとして食べられるのか、気になる。
きくらげとチャーシュー浮かべて
まずは缶探し。記者は10月26日、まず東京都内のJR新宿駅を訪れた。中央線につながる階段の付近で一風堂の缶が入った自販機を見つけたが、売り切れなのか「準備中」と書いてあった。続いて中野駅、三鷹駅も訪れたが、いずれも一風堂の缶スープは「準備中」とあり、購入できなかった。最終的には立川駅で購入可能な自販機を発見。ようやく買えた。
開栓し、そのまま飲む。豚骨の香りとクリーミーな味わいが漂う。確かに、豚骨ラーメンのようだ。最初はラーメンスープを飲み物としていただくことに少し違和感があったが、コーンポタージュ感覚で自然と飲めた。
持ち帰って、市販の中華麺、ハム、チャーシュー、きくらげを用意。缶スープを湯せんして、そのまま丼に投入した。スープは白濁しており、雰囲気は豚骨ラーメンを思わせる。
すすってみると、薄い。
塩加減は弱く、豚骨由来のこってり感もあまりない。口あたりがやさしすぎる。一度ラーメンとして食べてみたことで、あくまで缶飲料として飲みやすく調整されていることがわかった。そのままスープとして使っても、あまりラーメンらしい味わいにはならない。
どうにかラーメンらしくできないか。水っぽさをなくして味を濃くするため、煮詰めることにした。
40〜50ミリリットル程度蒸発させる。少しだけこってり感は増したが、大きな変化ではなかった。
次に、塩気も足りない気がするので、しょうゆを足してみる。
塩加減は一般的なラーメンに近づいたが、やはり何かが足りない。最後に、ラード(豚の脂)を加えて試す。
決め手が分かった
スープに溶くと、脂がそこら中に浮いてきた。見た目はラーメン店で出る豚骨ラーメンに近づいた気がする。
口にしたところ、こってり感とコクが増したことで「飲み物っぽさ」がぐっと減り、一気にラーメンスープらしさが高まっていた。今回のアレンジの中では最も有効だったように思う。
なお価格は150円(税込・以下同)。アキュア公式サイトでは、30本セットが4600円(送料基本無料)で購入可能だ。