PS5発売もうすぐ1年 ゲーム機まだ買えないし「専用ソフト」も全然ない

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多くの機種対応にする事情

   なぜ他メーカーのハードでも遊べるタイトルも多いのか。

   松井氏によると、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)、マイクロソフト、任天堂といった「プラットフォーマー」(ゲームハード会社)からリリースされるソフトは、そのメーカーのハードでしか遊べないものがほとんどだという。冒頭の「ラチェット&クランク パラレル・トラブル」も、PS5を手がけるSIEが販売するソフトだ。

   一方、サードパーティー(ゲームハードメーカー以外のソフト会社)のソフトだと、「横マルチ」での展開が主流になりつつあるという。PC版も含め、なるべく多くの機種で出した方が、より多くのユーザーが楽しめる。そうなれば当然、より多くの販売本数を期待できるからだ。ここ数年で特にその傾向は強まっていると松井氏は述べた。

   ゲームグラフィックの向上などにより、ソフト1本の制作にかかる人件費といった開発コストが増大。より高い収益性を求めるのには、こうしたコストを回収し利益を上げたいという事情のようだ。一方、1ハードで販売された1ソフトが売れる本数は、PS2(2000年発売)やPS3の時代と比べて減少しているという。

「以前は特定の機種だけで十分な売り上げが立つ場合もありました。今は開発費の高騰により1本でも多く売りたいので、1つの機種だけでは目標達成が難しいと判断すれば、他機種で展開する必要があります」

   特定のハードで発売されたソフト単体の売り上げが落ちているのは、ゲーム市場が縮小したからではない。「今はゲームの種類も多く、遊び方も多様化していることが要因だと思います」。

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