日本人の平均賃金が韓国以下になっている。このところ多数のメディアで報じられている。6年も前からそうなっているというのだ。にわかに信じがたい人が多いかもしれない。衆院選では「格差是正」「分配」「再分配」が大きなテーマになっている。
2015年に韓国と逆転
「ダイヤモンドオンライン」は2021年8月2日、竹田孝洋・編集委員による「日本人は韓国人より給料が38万円も安い!低賃金から抜け出せない残念な理由」という記事を公開している。
「21世紀に入って日本の賃金はほとんど上昇しなかった。その結果、平均賃金の水準では、G7でイタリアと最下位を争い、2015年には韓国に抜かれ、差が開く一方だ。なぜ賃金が上がらない、安い賃金の国になってしまったのか」――という問題意識から、「貧しくなった日本」の理由に切り込んでいる。
OECD(経済協力開発機構)の調査によると、日本の平均賃金(年間)は2000年時点、3万8364ドル(約422万円)で加盟35カ国中17位だった。20年には3万8514ドル(約423万円)と金額はわずかに上がったものの、22位にまで順位を下げた。過去20年間の上昇率は0.4%にすぎず、ほとんど「昇給ゼロ」状態。日本の平均賃金は韓国に比べても、3445ドル(約37万9000円)低いという。
韓国の賃金は過去20年間で43.5%伸びている。15年の時点で韓国に逆転され、その後も差は開く一方だと竹田氏は指摘している。