企業や店舗、団体が運用する「公式ツイッターアカウント」。商品・サービスの認知度向上、ブランディングなどを目標に、担当者は知恵を絞り発信する。
J-CASTトレンド(以下、トレンド)のアカウントでは、ニュースサイトで公開する記事を各記者が紹介するのが主だ。合間に、「中の人」と呼ばれるツイッター担当者「J子」(本稿執筆者)が挨拶や雑談を投じている。J子がメイン担当になって、2022年2月で3年。当初なかった悩みが浮上してきた。SNSマーケティング支援を手掛けるテテマーチ(東京都品川区)の力を借り、アカウント改革に取り組む様子とその結果を、数回にわたってお届けする。
個性と後継者問題がネック
今回、改善策を立案してくれるアドバイザーは、井村桃子さん、ふくままさひろさん、タカミリホさん、石渡将利さんの4人だ。メイン相談窓口となる井村さんは、過去に大手文具メーカー、大手化粧品メーカーのツイッター担当者として運用に携わった経験を持つ。
初めに、アカウントの運用目的と2つの悩みを伝えた。
アカウントの運用目的:ニュースサイトの認知度向上、他企業や読者との交流
悩み(1):アカウントに、単なる「メディアアカウント」以上の個性がない
(2):後継者問題
トレンドの主な「武器」は記事だ。しかし取材対象が存在するため、完全に「自社だけの商品」とは言い難い。また、同一記事だけを繰り返し取り上げることもできない。メーカーの公式アカウントが実施しているような、「日々さまざまなハッシュタグやトレンドワードを使って、自社商品を面白くイジりつつPRする」手法が使えないのだ。そのため「トレンドニュースを配信するアカウント」以上の個性を追求しがたい側面がある。
(2)については、ツイッター運用には少なくない負担がかかるため、意欲のない人に無理やりバトンパスするのは避けたい。ただ、担当者が一人で長期間運用し続けることは限界や弊害がある。中の人が突然不在となった結果、アカウントの更新が滞ったり、閉鎖になったりする例もあるのだ。いざというときに慌てないよう、手を打っておきたい。