コロナ収束後に行きたい国、9割が日本
実際、お台場の大江戸温泉物語は中国人旅行者の定番スポットで、9月の閉館も中国で関心を呼んだ。中国のSNSウェイボ(微博)では、閉館前に施設を訪れたユーザーの投稿が相次いだ。
ただ、中国人にとって「日本の大江戸温泉=お台場」のイメージが強いため、中国企業が大江戸温泉グループを取得するかもしれない、という今回のニュースには、「お台場が閉館した以上、大江戸温泉グループにはもう魅力がない」との反応も多い。
一方、趙さんはプロの視点から、「日本の旅館に関心を持っている中国人投資家は多いですよ」と話す。神居秒算が中国人投資家を対象に9月に実施したアンケートでは、「(コロナ禍収束後)海外旅行ができるようになったらどこに行きたいですか」との質問に、9割近くが日本を選んだ。
「日本は中国から近いので、旅行に行ったことがある人が多く、コロナ禍でリピーター需要が相当蓄積しています。コロナ禍が収束し、海外旅行が解禁されたらコロナ前以上に訪日観光客が増える可能性が高く、来年夏あたりの"解禁"を想定し、いい施設があれば取得したいと考える投資家は増えています」(趙さん)
浦上早苗
経済ジャーナリスト、法政大学MBA兼任教員。福岡市出身。近著に「新型コロナ VS 中国14億人」(小学館新書)。「中国」は大きすぎて、何をどう切り取っても「一面しか書いてない」と言われますが、そもそも一人で全俯瞰できる代物ではないのは重々承知の上で、中国と接点のある人たちが「ああ、分かる」と共感できるような「一面」「一片」を集めるよう心がけています。
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