自動車強国になる日
その理由については、2009年に経済産業研究所のサイトに掲載された「世界一の自動車市場となった中国― 独自の技術とブランドの確立がなお課題 ―」というレポートがわかりやすい。筆者は、関志雄・経済産業研究所コンサルティングフェロー。
それによると、中国の自動車生産の約4分の3は欧米や日本との合弁企業によるもの。国内独自ブランドは約4分の1に過ぎず、ほとんどが小型車の生産。輸出は途上国や新興国に限られている。
同レポートによると、中国政府は当時、「自動車産業調整振興計画」を策定。研究開発能力の向上、独自ブランドの確立、業界再編を進めているという。
レポートは、このような政策が着実に実行されれば、中国は単なる世界一の自動車生産・販売大国ではなく、本当の意味での自動車強国になる日がやがて来るであろう、と結んでいる。
日経新聞の記事は、まさに中国が「自動車強国」になりつつあることを日本人に知らしめるものになった。同紙は、「商用車は決められたルートで事業者が使う。乗用車に比べ充電インフラの確保や保守メンテナンスが容易で参入しやすい面がある」と説明している。