■秋華賞 「カス丸の競馬GI大予想」
白毛馬アイドル、ソダシの2冠達成なるか

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   カス丸 はーい、ぼくカス丸きゃすう。今週はいよいよ牝馬3冠の最後となる秋華賞(2021年10月17日、阪神競馬場、芝2000メートル)だじぇい。いつもは京都競馬場だけど、いま改造中だから今年は阪神で行われるきゃすう。でもコースに少しクセがあって、予想はひと筋縄ではいかないじぇい。注目は桜花賞を勝ったソダシだけど、カスヨさんの本命◎はアールドヴィーヴルきゃすう。玄人好みの馬だけど、本当に勝てるきゃすう?

福永騎手が選んだアンドヴァラナウト

   カスヨ アールドヴィーヴルは春の2冠、桜花賞、オークスともに5着よ。3冠皆勤賞ね。なかなか勝ち切れないんだけど、底力は一級品なのよ。今回は土曜の夜から日曜の朝にかけ雨が降る予報になっているわ。これはこの馬にとって、恵みの雨よ。デビュー戦は不良馬場だったけど、末脚一閃で勝利したわ。道悪は大歓迎。前走はトライアルのローズステークス(GII、中京、2000メートル)で3着。今回はエイシンヒテンやソダシが引っ張る流れになるだろうから、差しも届く展開になるわ。夏を休んでひと叩きされた上積みも見込めるため、一発あるならこの馬というわけよ。

   カス丸 ふーん、でも勝つまで行くかどうかだじぇい。ガジュマル爺の本命は夏の上がり馬、アンドヴァラナウトという舌を噛みそうになるような名前の馬きゃすう。トライアルのローズステークスを勝ったから、人気の一角になりそうだじぇい。

   ガジュマル爺 この馬はただ者じゃないわい。父キングカメハメハはダービー馬、母のグルヴェイグは2012年のマーメイドステークス(GIII、阪神、2000メートル)の勝ち馬で、その父が日本の至宝、ディープインパクト。祖母が1996年のオークス(GI、東京、2400メートル)、97年の天皇賞・秋(GI、東京、2000メートル)を勝った女傑、エアグルーヴという超良血じゃ。名ばかりの超良血は多いんじゃが、この馬はデビュー後6戦3勝2着3回と連対を外しておらん実力派でもあるんじゃ。必ず2着以内に来るという堅実さがすごいところなんじゃ。それにもうひとつ、「牝馬の福永」といわれる福永祐一騎手が、トライアルの紫苑ステークス(GIII、中山、2000メートル)を圧勝したファインルージュに乗らず、こっちを選んだというのが心強いんじゃ。春のクラシックに間に合わなかったが、最後の1冠に賭ける意気込みはこの馬が一番じゃろ。

   カス丸 なんだか強そうだじぇい。その福永騎手が選ばなかったファインルージュだけど、爺の対抗〇になってるきゃすう。

   ガジュマル爺 ファインルージュはオークスで11着に沈んでしもうた。明らかに距離が長かったせいじゃろうが、紫苑Sも長すぎるかなと思っておったんじゃが、見事に勝ちあがってきて、距離不安を一蹴したんじゃ。ずんぐりした体つきからすると、マイルあたりがいいような気がするんじゃが、2000メートルまでなら大丈夫じゃろ。決め手の鋭さは3歳牝馬で上位であることは桜花賞3着のころから証明済みじゃから。それと鞍上がクリストフ・ルメール騎手に乗り替わるんじゃが、今年1月のフェアリーステークス(GIII、中山1600メートル)で乗って勝っておるから、目下リーディングジョッキーの手腕に注目ということじゃな。

   カス丸 カスヨさんは前回スプリンターズステークスで1番人気ダノンスマッシュを本命にして外したせいか、今回は穴狙いらしく対抗〇がサルファーコスモスときてるじぇい。それにしても大穴すぎきゃすう?

   カスヨ そんなことないわよ。この馬はね、能力が高いんだけど不運なのよね。春にはエルフィンステークスを勝ったんだけど、骨折でその後離脱したのよね。復帰戦となった前走3勝クラスでは古馬と戦って2着と能力の高さはみせているわ。今回は4頭から3頭抽選だったけど、その抽選も見事くぐり抜けたし、上位人気が予想される馬とは未対戦だから興味津々よ。臨戦過程や初の2000メートルとなる点で人気が落ちることが予想されるんだけど、中内田厩舎×川田将雅騎手というゴールデンコンビだし、33秒台の末脚が使える点を考えると穴としては期待十二分なのよね。

   カス丸 ふーん、あまり注目してなかったきゃすう。ところで、1番人気が予想されるソダシの名前が出てこないじぇい。爺がやっと単穴▲にしてるけど、カスヨさんは無印。ダノンスマッシュの後遺症のせいきゃすう?

ソダシはローテーションが?

   ガジュマル爺  GIを2勝もしておる「白毛の女王」を無視するわけにはいかんじゃろ。8着に敗れたオークスで距離不安を露呈したんじゃが、前走の札幌記念(GII、札幌2000メートル)を先行逃げ切りで見事に勝利したのは衝撃じゃった。距離克服にメドをつけたし、このとき破った相手が古馬(4歳馬以上)GI馬のラヴズオンリーユーやペルシアンナイト、ブラストワンピースといった錚々たるメンバーじゃから、胸を張っていい内容じゃった。たしかに古馬GI馬を一蹴したことから、あっさり勝ってもおかしくない実力の持ち主なんじゃが、札幌記念を使ったことが裏目に出はしないかと心配しておるんじゃ。秋華賞を勝った馬というのは、オークスからぶっつけ本番か、キャリア4戦から6戦の馬、という傾向があるんじゃ。ソダシはすでに7戦しとるんじゃ。うち6勝をあげとるという成績は断然なんじゃが、ローテーションからすると札幌記念の1回が余計だったというふうに見えるんじゃな。札幌記念から秋華賞に出たのは12年前の名牝ブエナビスタがそうなんじゃが、ブエナは札幌記念2着で秋華賞が3着降着だったんじゃ。今でも思い出すが、この時のブエナはすでに春2冠を達成し、最後の3冠目指してレースでも猛然と追い込んだんじゃが、ハナ差届かなかったうえに3着入線馬を妨害したとして降着になったんじゃ。散々じゃったな。まあ、ソダシにはこんな悲運がないことを祈るばかりじゃ。

   カス丸 なるほど、ローテーションに心配があるわけきゃすう。ところで秋華賞が阪神で行われるというのは初めてらしいんだけど、春のGI・大阪杯と同じコースということだじぇい。4つのコーナーを回って、最後の直線は短く、しかも急坂があるコースだから、どうしても紛れが出やすく人気薄が飛び込んでくることがあるきゃすう。今回、要注意なのはどんな馬だじぇい?

   ガジュマル爺 わしは2頭あげておくぞ。まずはスルーセブンシーズじゃ。5戦2勝2着1回3着1回。馬券にならなかった(4着以下)のは、前々走のオークスの9着だけじゃが、これは距離が長かったせいじゃな。デビュー後、2000メートルを中心に使われており、中距離適性は高そうじゃ。前走の紫苑ステークスは末脚が素晴らしかった。4コーナー10番手から内を突いて猛然と追い込んだが、勝ったファインルージュとは位置取りの差じゃったな。今度は休み明け2戦目の上積みも見込めそうじゃから位置取り次第では逆転もありうるぞ。 もう1頭はステラリアじゃな。前走オークスは5番人気に推されたが、13着に惨敗。終始、先行2番手から競馬を進めたんじゃが、最後の直線でパタッと脚があがってしもうた。しかし、舞台が阪神コースとなればこの馬にはプラスじゃ。1勝3着2回との相性抜群じゃ。逃げるエイシンヒテンを、ソダシとこの馬が2番手、3番手につける展開が予想され、前残りで流れ込むような展開になれば、十分チャンスがあるじゃろ。

   カスヨ わたしは先ずはアカイトリノムスメね。桜花賞4着、オークス2着と春のクラシックでは優勝馬と並ぶ素晴らしい成績を残したわ。母は3冠牝馬アパパネ、父は3冠馬ディープインパクトという超良血よ。この馬の強みは器用なレースをするところね。どんな展開になっても対応ができるというのはなかなかいないわよ。秋華賞というのは、関東馬はあまり来ないレースなんだけど、名伯楽の国枝栄きゅう舎が送り出すのだから無視はできないわよ。昨年2着のマジックキャッスル同様、上位争いに絡むことは必至ね。 次にオークス馬、ユーバーレーベンよ。本来であれば本命にすべき馬なんだけど、オークスの後、屈腱炎に似たような症状が出たので、まあ本調子というわけにはいかないんじゃないかしら。まあ、実力はオークスで見せたとおり、超一級なんだけどね。 最後にミスフィガロをあげておくわ。直近3走は2000メートルで1着1着3着とすべて馬券に絡んでいるのよね。京都大賞典で5年ぶりに勝利して復活したマカヒキと同じ友道康夫厩舎は、関西圏の中距離に強いのよ。大穴をあける可能性があるならこの馬ね。

   カス丸 今年もいろいろいるじぇい。迷うきゃすう。でも、ここは古馬GI陣に勝ったソダシが本命◎だじぇい。

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