ネット配信「本来業務」になれば
ところで、NHKのネット業務は現在、テレビ放送といった「本来業務」ではなく、通常の放送を「補完」する業務として、放送法などで位置付けられている。現状、ネットを活用しての業務には予算の上限がある。これは「NHKインターネット活用業務実施基準」で定められている。
砂川教授によると、ネット配信もテレビ放送のように補完業務ではなく本来業務として位置付けられるようになった場合、放送法の改正などを経て、テレビを持たずにスマホだけを所有している人でも「ネット上の意見のように(受信料の徴収対象に)なる可能性が出てくる」という。
NHKはドイツのようにネット配信も「本来業務」とすることを目指しており、今回の社会実証の実施も、NHKにとってはその布石なのではないかと、砂川教授は分析する。