ファイザー製と互換性
今回の北欧の対応は、今後の「交差接種」に影響を与える可能性もある。「交差接種」とは種類の異なるワクチンを接種すること。
ワクチンの複数回接種では通常、同一ワクチンの接種が推奨されている。しかし、生産・需給状況によっては、1回目と2回目、あるいは3回目で異なるワクチンを打たざるを得なくなることも想定されている。北欧で1回目にモデルナを接種した若者は、2回目をどうすればいいのか――。
こうした例外的なケースについて、米国疾病対策センター(CDC)は「1回目に接種したmRNAワクチンの種類が不明、または同一ワクチンが入手困難な場合、28日以上の間隔を空けて使用可能ないずれかのmRNAワクチンを接種しうる」としている。
一方日本では、8月30日に加藤勝信官房長官(当時)が「有効性、安全性に関するデータは十分に得られていない。異なるワクチンの使用を積極的に推奨する状況にはないと認識している」と語っていた。だが共同通信は10月9日、「交差接種」の効果や安全性について、日本でも国の医療研究支援や予算配分を担う「日本医療研究開発機構」の研究班が検証を始めたと報じている。「特定のワクチンの供給が停止するなど、異なる製品を接種せざるを得ない事態に備え、データを集める」という。
北欧のモデルナ中止で、そうした不測の事態が現実になっている。3回目の「ブースター接種」や、国産ワクチンなども視野に入ってきただけに、日本でも「異なる製品を接種せざるを得ない」状況への備えを急ぐことになりそうだ。