「密造酒」海外で死亡事故、日本でも禁止 では梅酒も作っちゃダメなのか

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   ロシア南部で、政府の許可を得ない「密造酒」を飲んだ住民が中毒症状を起こし、30人以上の死者が出た。各報道によると、酒には人体に有害なメタノールが含まれていたという。

   密造酒で摘発される事案は、海外では頻発している。現代の日本では、粗悪な密造酒が出回る例は見かけないが同じく違法行為。だが、実は自宅で「許可なく造酒」しているケースはある。

  • 「梅酒」自宅で作っても良い理由(画像はイメージ)
    「梅酒」自宅で作っても良い理由(画像はイメージ)
  • 「梅酒」自宅で作っても良い理由(画像はイメージ)

インドネシアでは日本人が犠牲

   インドネシアでは、2018年4月と20年9月に相次いで密造酒を飲んだ人が死亡しており、日本人も含まれていた。20年9月28日付のテレ朝newsによると、インドネシアではアルコール類の販売に規制がかけられ、税率が高く設定されており、安価な密造酒が市場に出回りやすい状況だという。

   インドでは、毎年のように密造酒による死亡事故が起きている。19年3月18日付の産経新聞(電子版)は、同年2月以降だけで270人近い死者が確認されたと報じている。記事によると、インドで出回るほとんどの密造酒は、安価で手に入るものの有毒なメタノールが含まれる工業用アルコールを加工して味や色を付けているだけだという。現地では酒類の販売に様々な規制を設けており、貧しい農村部の住民はとくに、正規のルートで入手することは困難のようだ。

   一方日本では、コンビニエンスストアなどで手軽に、そして安価に酒が手に入る。ただし、国内のアルコールに関する法律として「酒税法」が定められている。ここで指す酒類とは、アルコールの度数が1%以上の飲料。日本では、「酒類製造免許」なしでの酒類の製造は、原則禁止だ。これに違反し製造した者は、「酒税法第54条」によって10年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられる。つまり、酒を作る場合は免許が必要になる。

「例外的に製造行為としない」もの

   しかし、日本では、免許をもたず、政府の許可なく自宅で梅酒を作る場合がある。これは「密造」にはならないのか。

   国税庁の公式サイトによると、梅酒は、焼酎などに梅等を漬けて作るため、酒類と他の物品を混和することになる。当然、その混和後のものは酒類であるため、「新たに酒類を製造したものとみなされます」。

   ただし、酒税法には、条件を満たせば違反にはあたらない「特例」がある。消費者が自分で飲む目的で、アルコール分20度以上かつ、酒税が課税済みの「酒類」で、次の物品以外のものを混和する場合には、「例外的に製造行為としないこととしています」。

   「次の物品」に含まれるものは、コメ、麦、あわ、トウモロコシ、こうりゃん、きび、ひえ若しくはでん粉又は、これらのこうじ。やまぶどうを含むぶどう。アミノ酸若しくはその塩類、ビタミン類、核酸分解物若しくはその塩類、有機酸若しくはその塩類、無機塩類、色素、香料又は酒類のかすだ。梅酒の原料となる梅の実は、例外品となる。

   家庭内で、自分たちで楽しむために、上記の条件を満たして梅酒を作る分には問題ない。なお、この作った酒類を販売するのは禁止だ。

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