元プロ野球・広島東洋カープの前田智徳さんが、アマチュアゴルフで快進撃だ。2021年10月6日・7日に岡山県で開催された「第14回中国ミッドアマチュアゴルフ選手権競技」(以下中国ミッドアマ)に出場し、優勝を飾った。
プロ野球で通算2119安打。「ベストナイン」と「ゴールデングラブ賞」に4度ずつ輝いた「孤高の天才」は、バットをクラブに持ち替えてもすごかった――。
「日本ミッドアマ選手権」の切符つかむ
中国ミッドアマは、1996年12月31日以前に生まれた男子アマチュアゴルファーを対象とした大会だ。今回は158人が出場したが、誰でも出られるわけではない。参加資格は以下の通り。
・各県協会(連盟)による選考競技会の通過者
・過去3年間中国ミッドアマチュアゴルフ選手権競技優勝者
・2020年中国ミッドアマチュアゴルフ選手権競技上位8人
・過去3年間日本ミッドアマチュアゴルフ選手権競技優勝者
・2020年中国シニアゴルフ選手権競技優勝者
・CGU(中国ゴルフ連盟)特別承認者
と、各地域の選考会を通過したり、他大会の優勝経験者だったりと、実績を持ったアマチュアゴルファーが集う大会だ。
前田さんの場合、8月4日に開催された「第10回広島県ミッドアマチュアゴルフ選手権決勝大会」で全参加者179人中17位入賞となり、「中国ミッドアマチュア」への出場資格を獲得している。そのため「各県協会(連盟)による選考競技会の通過者」に当てはまると考えられる。
また、今回上位7人以内に入賞したことで、前田さんは全国大会にあたる「第25回日本ミッドアマチュアゴルフ選手権競技」への出場権を獲得した。
両日「アンダーパー」は快挙
プレーの内容も目覚ましい。ゴルフのコースには、規定打数として「パー」という数字が設定される。一般的に、ゴルファーはこのパー数以内のスコアを目指してプレーする。これよりも少ない打数で全ホールをラウンドした状態を「アンダーパー」と呼ぶ。中国ミッドアマでは、計18ホールでパー72が規定されている。
リクルートが運営するゴルフ場予約サイト「じゃらんゴルフ」によると、アンダーパーどころか「長くゴルフを続けている方でも、100を切れないというゴルファーは大勢」いる。一方で、「プロ選手であればアンダーパーを狙っていくことは当然といわれて」いるそうだ。
前田さんは「中国ミッドアマ」初日69、2日目70というスコアで回った。今大会、両日ともアンダーパーとしたのは前田さんだけだ。過去の中国ミッドアマでもアンダーパーで両日回った人は過去2大会おらず、2018年度大会までさかのぼることになる。
アマチュアゴルフに場を移しての前田さんの活躍に、ツイッター上では「アンダーってすごい」「普通にプロ」といった反応が上がっている。