エレベーター停止で外に出られない
集合住宅では、エレベーターの停止も生活に大きな支障となる。高層階と地上を階段で行き来するのが大変なのは、言うまでもない。給水車から調達した水でいっぱいになった容器を両手に持って数十階上るのは、頻繁には困難だ
高齢者や体の不自由な人、病気の人にとっては、高層階に住んでいると移動自体が難しい。別の場所への避難や通院をしたくても、下りるに下りられない。もし一人暮らしなら、助けが来ない限りは部屋に閉じ込められた状況に陥りかねない。幼い子は、階段の長距離移動そのものが転倒や転落のリスクを増やす恐れがあるだろう。
記者の場合、在宅避難を諦めて電力が復旧するまで別の場所に一時避難できた。だが、人それぞれ事情が異なる。避難先が見つからない、同居人が病気で動けないとなれば、停電でも同じ場所にとどまり続けるしかない。
激甚化する自然災害で、大規模停電のリスクは今後高まると考えられる。可能な限りの備えと万一の場合の対応策を考え、少しでもダメージを減らすしかない。
(J-CASTトレンド 荻 仁)