首都圏を2021年10月7日夜、最大震度5強の地震が襲った。このため、多くの鉄道で運転見合わせや大幅な遅延が起き、勤め帰りの人の足を直撃した。
地震の影響は、翌8日朝の通勤時間帯まで及んだ。ラッシュ時に入場規制が実施される駅も。新型コロナウイルスの感染拡大後、リモートワークを導入する企業が増えたはずだが、この光景はまるで「コロナ前」――。
コロナ流行後一番混んでいた
地震発生直後、東京・品川駅では停電が発生。東京東部を走る日暮里・舎人ライナーは、車両が脱輪し、それを報告する写真つきの投稿がツイッターでは多数見られた。同路線は8日夜の時点で復旧していない。
地下鉄・東京メトロ東西線は、7日22時41分頃に一部運転再開したが、葛西から西船橋駅までの上下線では、8日深夜0時41分ごろまで運転を見合わせていた。葛西駅では帰宅困難となった人が大勢出て、駅前のタクシー乗り場には長蛇の列ができた。
翌朝になっても、影響は続いた。J-CASTトレンドの取材にこたえた20代女性Aさんは、小田急線を使って新宿駅で中央線に乗り換え、通勤している。いつもより20分ほど早く家を出たが、1時間近く遅れて会社に到着。車内は「いつもより混んでいて、スマホをいじるのも一苦労でした」と疲れた様子を見せた。
北千住駅から地下鉄・千代田線を利用する男性Bさんは、ホームの端から端まで人であふれている様子に驚いた。いつも使う電車に乗れず、1本見送ったと話す。車内は、新型コロナが流行してから一番混んでいたそう。「いつもは座っている。今朝は、つり革さえつかめなかった」と話した。
出社に戻る流れ
コロナ後から働き始めた男性Cさんは、東急東横線で横浜から都心に出勤する。「コロナ前はわかりませんが、今までで一番混雑していました」と明かした。
新型コロナの感染拡大を抑えるため、政府を中心に在宅勤務を推奨してきた。だが、昨夜から今朝にかけての鉄道の大混雑を見ると、「テレワークはどこへ」といった印象だ。
先のBさんは、テレワークを活用してはいるが、現在は業務が繁忙期で出社せざるを得ないと明かした。またCさんの場合は、「すでに在宅勤務だった社員の出社率が増えています。今後は出社に戻る流れになっています」という。