米アップルの共同創業者・スティーブ・ジョブズ氏が亡くなってから10年。その命日にあたる米国時間2021年10月5日(日本時間6日)、アップルは自社ウェブサイトに、ジョブズ氏の功績をたたえる追悼動画を公開した。
アップルは今や、「GAFA」と呼ばれる米国主要IT企業の一角を占める、巨大メーカーに成長を果たした。中でも「iPhone」は、世界中で使われている大ヒット製品だ。その開発の中心となったジョブズ氏だが、没後10年となれば今日の20代以下は当時の活躍ぶりを実感していないかもしれない。J-CASTトレンドは若い世代を中心に、ジョブズ氏への思いや評価を聞いた。
「スマホ広げた人」亡くなったのは「最近?」
取材にこたえた人は、みなiPhoneユーザーだ。ジョブズ氏について知っているだろうと思いながら聞いてみたが――。
26歳の男性Aさんは、パソコン「MacBook Pro」とiPadのユーザーでもある。ジョブズ氏について「アップルの創始者で、プレゼンがうまい。人柄もいろいろな噂があった」という話が出た。亡くなった当時のことは、「『うわぁ、まじか』くらいに思った」と話す。
同じく26歳男性Bさんは、「大学での講義やプレゼンテーションなど、印象に残っている。特に、紙袋からMacBookが出てくる演出に衝撃を受けた」と詳しく話した。当時の訃報について「病気と知っていたので、大きな驚きはなかった。しかし、それなりにショックだった」と振り返る。
25歳の女性Cさんは、「アップル社に貢献した人とは知っているが、何をやった人かは覚えていません」。また「そういえば、亡くなっていたなという感覚」だという。同じ年齢の女性Dさんのジョブズ評は「iPhoneをつくった人」。亡くなったことは「最近、ニュースで見た気がする」と話すので、10年前の出来事だと伝えると驚く様子を見せた。
もっと若い人はどうか。iPhone利用者の23歳男性Eさんは、ジョブズ氏を知らないと答えた。アップル創業者だと伝えると「特に調べたこともなければ、印象もない」とひと言。
19歳の女性Fさんは、ジョブズ氏が「亡くなった後に、ニュースで知った」と話す。印象について尋ねると「スマホを広げた人」。本人にまつわる「逸話」は、インターネットの投稿や書き込みから知った。
40代は熱く語った
対照的に、ジョブズ氏の現役時代の活躍を知る40代以上では、ガラリと変わる。取材にこたえた2人は、その仕事ぶりやカリスマ性、生い立ちなど詳しかった。
40代前半の男性Gさんは、「パソコンに詳しい方でもなければ、ウィンドウズユーザーです。(ジョブズ氏に)思い入れはない」と前置きした。そのうえで「カリスマという印象。(マイクロソフト共同創業者の)ビル・ゲイツ氏よりストイックで気性が激しい雰囲気もあった」と話す。亡くなった当時について、病気という情報は知っていたが「嘘ではないか」とかなりの衝撃を受けたそうだ。
40代後半の男性Hさんは、「『アップル信者』じゃないが」と言いながらも、「イノベーションを与えた人。アップルは惜しい人を亡くしたなと思った」。病気の話や退任は知っていたが、相当驚いたそうだ。そして「ビジネスの世界では、偉大な人だ」と尊敬をこめ、ジョブズ氏の経歴を振り返っていた。