岸田文雄新内閣が発足し、環境大臣だった小泉進次郎氏は退任した。
小泉氏が推進してきた「レジ袋有料化」は、在任中の2020年7月1日にスタートした。環境相の交代に伴い、インターネット掲示板やツイッター上では有料化を廃止し、レジ袋を再び無料に戻してほしいとの「陳情」投稿が続出している。
「有料化」には賛否
調査会社「マイボスコム」(東京都千代田区)が2021年9月1日~5日に実施したインターネットアンケートでは、レジ袋有料化で「不便に感じる」人が20.1%、「やや不便に感じる」は24.2%だった。逆に、「不便に感じない」は20.7%、「あまり不便に感じない」は20.4%。不便に感じる人の方が少し多いという結果になった。回答数は1万134件だ。
レジ袋が有料になって1年3か月。J-CASTトレンドは、東京都の大学に通う男性Aさんに取材すると、「有料化には一貫して賛成していません」と切り出した。どのように環境改善に繋がっているのかが疑問だという。再度無料にしてほしいとまでは思っていないものの、現状について「納得感が薄い」とした。
一方、九州地方のアクアショップに勤める女性Bさん。勤務先の店では、レジ袋の代金は動物保護団体に寄付しており、店頭でも告知している。代金が動物保護につながる背景もあってか、有料に不満を抱く客はあまりいないとのことだ。「(レジ袋有料化は)このままでもいいのかなという感じです」。
ゴミを減らす目的はよかったが
「レジぶくろ無くしたのオレな」という文言と、小泉元環境相を思わせる男性が描かれたトートバッグが、21年9月ごろにツイッター上で話題になった。これを作ったのが、「世界征服商店」という名義でエコバッグを製作しているデザイナーだ。J-CASTトレンドの取材に、レジ袋有料化に賛成の立場でも、反対の立場でもないという。その上で、「(レジ袋有料化は)考え方は悪くなかった」と、環境改善のためにゴミを減らすという目的を評価する。
ただ、有料化への批判の声を踏まえ、
「日本人の生活習慣に合わなかったのかなと思います」
と話した。
またデザイナーは、レジ袋有料化がたびたび注目を集めて批判を受けるのは、施行時に環境相だった小泉氏が普段の言動などから「目立つ人」だったからではないかと推察。有料化方針を2019年に発表した前任・原田義昭元環境相が政策についてもっと周知させていれば、「ここまでの大騒ぎにはなっていなかった気がします」。