「ブルーバックスコーヒー」。どこかで見たような、冗談のような「ブランド名」。ところがこれが、リアルになった。
生みの親は、講談社の科学系新書を取り扱う「ブルーバックス」。もともとエイプリルフールのジョークだった「ブルーバックスコーヒー」のマグカップを、クラウドファウンディング(クラファン)で2021年9月29日に発売すると、開始後すぐに目標金額の15万円を突破し、10月1日17時現在、220万円を突破している。
「単なる思いつき」からガチに
発端は、2021年4月1日の講談社ブルーバックス公式ツイッターの投稿だ。
「ブルーバックスコーヒー、始めました」
エイプリルフールのハッシュタグが付いていた。取材に答えたブルーバックス担当編集者は「単なる思いつき」と明かす。ただ、「やるなら本気でやるか、と熱が入り、ロゴのデザインを作るところから始めてマグカップを制作しました」。
ツイート公開後には思った以上の反響が寄せられた。「マグカップ欲しい!」「ブルーバックスが読み放題のカフェを作って」というコメントがあったという。実際にマグカップの商品化が始まり、ブルーバックスが運営する、研究者支援のためのクラファンサイト「ブルーバックスアウトリーチ」を使っての販売に至った。
「想像もしておりませんでした」
ブルーバックス担当者によると、目標金額は、公式ツイッターで9月29日に告知すると1時間ほどで達成した。11月5日まで継続する予定だ。
「ブルーバックスのマグカップを実際に購入したいというほどマニアックなファンの方がこんなにいらっしゃるとは、想像もしておりませんでした」
担当者は、率直に驚きを口にする。マグカップは、「ファンの皆様へのサービスとして利益を無視した価格設定」とのこと、最後に「この機会にぜひ、ブルーバックスの本も手にとっていただける機会が増えたら、うれしい」とアピールした。