「宮本武蔵」に国民は熱狂
他の二冊の愛読書のうち、『罪と罰』はあまりにも有名。『宮本武蔵』は今も大人気の宮本武蔵のスーパースターぶりを定着させた剣豪小説として知られる。
戦前、1年間の予定で朝日新聞に連載されたが、読者からの大反響で連載が延々と続き、4年に及んだと言われている。新聞小説の歴史の中では空前の大ヒット作品として知られる。この間に朝日新聞は部数を大きく伸ばしたという。ちょうど日中戦争が拡大していく時期でもあり、闘いに挑む武蔵の姿に多くの読者は手に汗を握った。
ちなみに今回、決選投票で敗れた河野太郎氏の愛読書は、ダ・ヴィンチ・ニュースによると、海洋冒険を描いた児童文学『ツバメ号とアマゾン号』(アーサー・ランサム作、神宮輝夫:訳/岩波書店)。河野氏は幼い頃から「ツバメ号」シリーズの大ファンで、全巻揃えているのだという。
退陣する菅義偉首相の愛読書は、日経新聞によると、マキャベリの『君主論』、堺屋太一氏の小説『豊臣秀長 ある補佐役の生涯』、米国の元国務長官であるコリン・パウエル氏の著書『リーダーを目指す人の心得』だ。それぞれの本が、期せずして菅氏の人生と重なっている。