タバコの価格が増税に伴い、2021年10月1日から値上がりする。一方、市場調査サイト「ランク王」が9月23日に発表したアンケートによると、回答した喫煙者の約8割が10月以降もタバコを吸い続けるという。
アンケートの対象は1000人。36.1%が喫煙者で、そのうち51.2%が10月以降も「今まで通り吸い続ける」、32.7%が「吸う頻度を減らす」と答えた。値上げが相次ぐ中でもタバコをやめない愛煙家が一定数いる。
「1000円超えたら」「病気になれば」
紙巻タバコや加熱式タバコを含め、JT(日本たばこ産業)は計223銘柄、「フィリップモリスジャパン」は計118銘柄、「ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン」は計127銘柄と、各社は10月1日から値上げする。JTの「セブンスター」の場合、現在の560円(税込・以下同)から改定後は600円となる。
J-CASTトレンドは、喫煙者6人に取材した。
20代男性Aさんは、2013年からタバコを吸い始めた。当時は410円の「キャスター・マイルド」を吸っていた。
現在は「メビウス・プレミアムメンソール・オプション・パープル・5」(540円)を吸う。10月からは580円だが、引き続きこの銘柄を購入する。パチンコ店や居酒屋といった喫煙スペースのある施設へ行くと、無性に吸いたくなると明かす。喫煙者の友人とのコミュニーケーションにも便利なため、タバコを続けている。
タバコの値段が「1000円を超えたらやめます」と男性。あるいはパチンコ店・居酒屋・喫茶店が完全に禁煙化されるか、健康に影響を及ぼすか、いずれかが現実になれば禁煙すると話した。
40代男性Bさんは1996年ごろに「マールボロ」を吸い始めた。当時は250円だったという。現在は「マ-ルボロ・アイス・ブラスト・メガ・5・ボックス」(570円)をたしなむ。10月からは600円だが、喫煙は続ける。「(喫煙習慣は)やめようと思えばやめられる」とキッパリ。考えごとや、リラックスしたい時に吸っているという。もしタバコを原因として病気になれば、「確実にやめる」とのことだ。
やめたいけどやめられない
50代男性Cさんは1984年からタバコを吸っている。当時は「セブンスター」で、「200円くらいだった」。現在は加熱式タバコ「glo(グロー)」を使い、「ケント・ネオスティック・トゥルー・ベリー・ブースト」(480円、10月から500円)という銘柄を吸っている。「価格が700~800円になったら自然とやめると思います」。
60代男性Dさんの場合、1983年に「セブンスター」がスタートだ。当時は200円だったという。現在は加熱式タバコ「IQOS(アイコス)」で「ヒーツ フロスト グリーン」(500円・10月から530円)を吸っている。日ごろから禁煙したいと考えており、今回の値上げを機にタバコを断とうと考えている。ただ、「多分結局はやめられません」と少々弱気。
もうひとりの60代男性Eさん。1973年にタバコを吸い始めた。銘柄は「セブンスター」だ。当時の価格は「確か100円」。現在はDさんと同じく、「アイコス」を使って「ヒーツ フロスト グリーン」を愛飲している。加齢でアルコールに弱くなり、酒を飲まなくなったが、タバコは「唯一の嗜好品として吸っています」。今後何があっても「やめることはありません」と語った。
21年6月に禁煙を始めた20代女性Fさんにも話を聞いた。2015年から「ピースライト」(当時は460円)で喫煙を開始し、21年6月までは「ピース・スーパーライト・ボックス」(現行560円)を吸っていた。将来子どもを持つことを検討しており、子の健康への影響を考えて禁煙したという。ただ、今でもストレスを感じた時に数本吸ってしまうことがあるとした。