京都大で学者の研究不正 バレるのに論文のコピペや改ざん止まない背景

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競争の激化

   論文不正の頻発については文部科学省も以前から頭を痛めている。すでに2006年には「研究活動の不正行為に関する特別委員会」が設けられ、「研究活動の不正行為への対応のガイドライン」なども公表されている。「不正行為が起こる背景」について、詳述されている。

   一つは研究費獲得の競争激化。「成果が目立つ研究でなければ、研究費が獲得できないのではないかという懸念が増大し、研究費獲得自体がいわば一つの評価指標と化して、競争の激化と性急な成果主義を煽る側面もあると指摘されている」。

   さらには、研究者の任期付任用の増加も影響しているようだ。「ポスト獲得競争が激化し、特に若手研究者にとっては任期付きでないポストを早く得るために、優れた研究成果を早く出す必要性に迫られる状況も一部で醸し出されてきており、それが極端な場合、不正行為につながる可能性がある」と分析する。

   「実験等で出たデータの処理や論文作成のスピードを上げようとするあまり、研究グループ内で生データを見ながらじっくり議論をして説を組み立てていくという、研究を進めていく上で通常行われる過程を踏むことをおろそかにする傾向が一部の研究者に見られる」ことも指摘されている。

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