新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでいる。日本で現在使用されているのは、ファイザー、武田/モデルナ、アストラゼネカ3社のワクチンだ。
このうち、アストラゼネカ社製については、アレルギーなどの理由でほかのワクチンを接種できない人や40歳以上の希望者が接種できる。しかし、不人気のあまり、早々に接種を打ち切る自治体が出てきている。
「希望する方が少数であることから」1日で終了
大阪市は、アストラゼネカのワクチンの集団接種について、1回目接種を2021年10月10日で終了すると発表した。2021年9月24日付朝日新聞デジタルは、予約率が1割未満で低調なことが理由だと報じている。松井一郎市長は同日、「アストラゼネカはニーズが低い。せっかく用意しているマンパワーがもったいない」と記者団に語ったという。
埼玉県戸田市では、アストラゼネカのワクチンについて当初1回目を21年9月から10月にかけて5日間に分けて実施予定だったが、9月8日の1日のみに集約しての実施となった。公式サイトには、その理由として「募集を行っているところですが、希望する方が少数であることから」とはっきり記されていた。
アストラゼネカのワクチンは、臨床試験を通じて発症予防効果が約70%と確認されている。一方、ファイザーは約95%、モデルナは約94%と数字に大きな違いがある。厚生労働省の公式サイトによると、ごくまれではあるが、ワクチン接種後に血小板減少症を伴う血栓症や、毛細血管漏出症候群などを発症した例が、海外で報告されている。こうした理由から、アストラゼネカを避けたいと考える人が多いのだろう。