女子レスラーの正装「コスチューム」 「絶対領域」がこだわりです

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【連載】アイスリボン・藤本つかさ 素顔の女子プロレス

   みなさんの正装は何ですか?

   職業によって様々ですが、サラリーマンならスーツ、シェフならコックコート、お医者さんなら白衣のイメージでしょうか?

   ちなみに我々プロレスラーの正装は「コスチューム」です。

   姿が見えないラジオでも、基本コスチュームで出演します。なぜならそれが私にとっての正装だから。

   今月の藤本つかさのプロレス時間は、コスチュームについてお話しします!

   オーダーメイドなの?いくらするの?こだわりは?ポロリしないの?

   などなど、みなさんが疑問に思っているであろうことをお話ししていきますね。

  • 「蹴る時に生地が揺れる」は、コスチュームコンセプトのひとつ
    「蹴る時に生地が揺れる」は、コスチュームコンセプトのひとつ
  • 「蹴る時に生地が揺れる」は、コスチュームコンセプトのひとつ

一番は動きやすさ

   まず私はデビューから今までの13年間で、コスチュームは25着くらい持っています。

   デザインは、コスチュームデザイナーと相談します。

   デビュー戦は覚えてもらいやすいように、フットサルのユニホームで試合したりしていましたが、今ではプロレスコスチュームにこだわりがあります。

かつてはフットサルのユニホームで試合
かつてはフットサルのユニホームで試合

   いくつかご紹介します。

【私のコスチュームコンセプト】
(1)東京・原宿の竹下通りで歩いても目立つ
(2)蹴る時に生地が揺れる
(3)絶対領域

   この三つです。

   (1)せっかくプロレスラーになったのだから、どかんと打ち上げ花火のようにどこから見ても目立たなきゃ!という思いから、宝塚、貴族、和風、ラメなどテーマを伝え、それに沿って生地を選んでいます。

   (2)右足で蹴る時にスカート生地が揺れて、飛躍感が増します。

   (3)お尻が大きいのがコンプレックスだったのですが、隠すのではなく、出してしまおうと開き直ったら、今ではチャームポイントになりました。

絶対領域はココ!
絶対領域はココ!

   このように見た目のコンセプトはあるのですが、一番はやはり動きやすさ。

   私のファイトスタイルは速く!動く!走る!なので、とにかくコーナーにのぼってもロープワークしても逆さまになっても飛んでも蹴っても、視界が遮られず、邪魔にならないものが一番!

   宮城弁に置き換えれば「いずい」(「しっくりこない」の意)のが一番NG。

チョップしながら紐を中に

   このように体にピッタリなサイズ、フィット感で作成するため、コスチュームは完全オーダーメイドです。

   なので、値段もそこそこします。

   昔、スワロフスキーをコスチュームに付けていたのですが、着る度にどんどん取れていき、悲しくなったことを覚えています...。

   1着の値段は、だいたいハイブランドのバック1つ分、もしくは動画編集に最適なノートパソコン1台分に相当します。

   ちなみに女子のコスチュームは男子と違って、中に紐が入っています。

   ウエスト、腰、股関節、レガース、そして私の場合は、絶対領域部分。

   これは試合で激しい動きをしても、コスチュームが取れないよう補強するためです。

   逆に補強が甘いとポロリする可能性が出てきてしまうので、これは必須事項!

   ごくまれに、試合中に紐が出ていたりして危ない時は、自然にレフェリーが近づいてきて直してくれることがあります。

   その時レフェリーは、わざとお客様の視界を妨げる位置に移動して、その間に直すということもしてくれるのです。

   試合を裁くだけではなく、こういう気遣いも実はしてくれているんです。凄いですよね!

   私自身も、対戦相手の胸元の紐が出ていることに気付いて、試合に集中できなかったので、チョップしながら紐を中に入れた経験もあります。

   痛みを与えながら紐を直す!

   誰にも伝わらないけど、ドヤ顔でした(笑)。

   またリング下には、もしもの時のためにTシャツとハーフパンツを用意しています。

   万が一の備えは大切。

   これは男子にはない文化かもしれません。

イメージカラーは被らないように

イメージカラーはさまざま
イメージカラーはさまざま

   コスチュームデザイン上のルールや決め事は特にないですが、団体内でイメージカラーは被らないようにします。

   とはいうものの、人数も多いので、最近はイメージカラーを一色ではなく二色にしている選手もいます。

   私のイメージカラーは赤です。赤と黒の人もいれば、紫やヒョウ柄も。紫でも薄紫と濃い紫の選手もいます。

   このように完全オーダーメイドのコスチュームを着ることによって、普段はポンコツと言われがちですが、着た瞬間プロレスラー藤本つかさになれる。

   いわば「my戦闘服」です。

   こういうのって大切。

   着るものに限らず、これを身につければ、この動作をすれば、空を見上げれば...

   自分なりの願掛けがあると、いつも以上の力を発揮するかもね。

   みなさんの戦闘服は何ですか?

【連載】アイスリボン・藤本つかさ 素顔の女子プロレス

藤本つかさhttps://twitter.com/tsukka0730
女子プロレスアイスリボン所属(https://iceribbon.com/
宮城県利府町出身。利府町観光大使。
東北福祉大学卒業後、広告代理店に就職。上京後、芸能事務所にスカウトされる。プロレスを題材とした映画「スリーカウント」出演のため、2008年プロレス団体アイスリボンの練習に参加したところからプロレスラー人生が始まる。
2015年アイスリボン取締役選手代表就任。18年には東京スポーツ新聞社制定女子プロレス大賞受賞。21年8月23日デビュー13周年を迎える。

【アイスリボン公式YouTube】
https://youtube.com/user/iceribbon
【藤本つかさ公式YouTube】
https://youtube.com/channel/UC_V0vfhOMxE9bCVvxjJ9JBw

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