朝、スマートフォンのアラームが鳴るも、枕元で止めて二度寝してしまった。こうならないように、少々強引とも思える方法で寝坊を防止する iPhone用アプリ「メザミー」2021年9月21日、リリースされた。
起床後、条件を満たさないと「課金」することになるユニークな機能が特徴だ。
自分で「覚悟の金額」を設定
まずはアプリ内の地図上で自宅などの起床場所を指定し、「家を出る時間」と「覚悟の金額」を設定する。さらにクジレットカード番号も登録する。最後はアプリ内のボタンを「スライド」すれば、設定は完了だ。
設定した「家を出る時間」までに起床場所から100メートル以上離れて解除ボタンをスライドすれば、メザミーを解除できる。100メートル離れないと、「起床場所に近いです」と表示され、解除できない。時間までに解除できなかった場合、設定した「覚悟の金額」をシステム利用料として自動的に運営に課金、つまり支払いをすることになる。金額の下限は100円だ。
アプリのダウンロードは無料で、基本料もゼロだ。メザミーを設定し、解除に失敗した場合のみ課金が発生する。ただ、毎日設定しても設定時間の6時間前であれば、起床場所から100メートル離れずとも設定の「キャンセル」が可能だ。この場合、課金はせずに済む。
基本的に、メザミーは利用のたびに毎回ボタンをスライドして設定する必要があるため、強制的に課金が続くような事態にはならない。
アプリ版のみ、解除に成功した場合、翌日にも同じ設定を自動的にセットできるか選べる機能がついている。繰り返しセットするかはユーザー自身の手でオン・オフが可能だ。オフならば勝手に設定されることはない。
2021年4月にブラウザで使えるウェブサービスとして正式リリースされ、今回はiPhone向けアプリ版が登場した。なお、アラーム音が鳴るような機能はないため、必要に応じて別の目覚ましアプリなどでセットしなければならない。
家を離れさせてしっかり目覚めさせる
J-CASTトレンドは、開発会社「メザミー」(東京都渋谷区)代表取締役・岡崎雄一郎氏に取材した。自身、朝スムーズに起きられないことがあり、同じ悩みを抱える人に向けて解決できるサービスを提供したいと考えたのが開発のきっかけだ。
スマートフォンのアラームで一度は目覚めても、「気持ちで負ける」ことにより、二度寝をしてしまうことがあったと岡崎氏。起床へのモチベーションを向上させる仕組みとして、寝坊するとお金をとられるシステムを思いついた。100メートルという距離は、一度家から出てもらい、二度寝をする気を失わせるために設定してある。
「家を離れてそのまま職場へ行くのもいいですし、あるいは近所のコンビニなどでコーヒーでも買って帰ってくれば、二度寝する気にならないと思います」
アプリ版には上述通り、解除成功時に設定を繰り返しセットできる機能が付いている。また、動作がウェブ版よりもスムーズとのことだ。
利用者は大多数が課金をせずに起床できており、寝坊や二度寝により課金してしまうユーザーは一部に限られる。設定金額の平均は「数百円」だが、これまでの最高額を聞くと、「大きかったのは3万円」とのことだ。