ホテル療養中に死亡、県が和解金
このほか、自治体関係で最近注目されたものでは、神奈川県のケースがある。
毎日新聞によると、神奈川県は9月6日、新型コロナウイルスに感染し、ホテルで療養中に死亡した50代男性の遺族に対し、県の体制に不備があったため早期に医療施設に搬送できなかったとして、民法に基づく和解金575万円を支払うと明らかにした。県によると、新型コロナの療養者の死亡に関して自治体が解決金を支払うケースは全国でも珍しいという。
男性は2020年12月8日に軽症と診断され、9日からホテルで療養していた。血中酸素飽和度が90%を下回ることもあったが、医師の診断は見送られていた。11日15時の健康観察で連絡がなく、同20時ごろに部屋で倒れているのが発見された。男性に基礎疾患はなく、死因は新型コロナによる急性気管支肺炎だった。
新型コロナの第5波では、自宅療養を強いられ、容体が悪化し、亡くなった人が少なくない。「国民皆保険」のもとで、保険料を払っているのに十分な治療が受けられないというのは異常な事態だ。今後も訴訟になったり、関係自治体が和解金を払ったりするケースが出てきそうだ。