ゲーム機「プレイステーション5」(PS5)。2020年11月の発売から10か月が過ぎても、店頭で在庫を見かける機会はほぼなく、フリマアプリ「メルカリ」では高額転売がいまだに続いている。
家電量販店「ノジマ」やメディアショップ「ゲオ」をはじめとして抽選販売も行われているが、落選報告も多い。ただ、入手手段は抽選や転売だけではない。記者は連休の朝にヨドバシカメラに並び、PS5を購入した。
アマゾンの入荷や抽選は毎回全滅
記者は何度も購入に失敗してきた。ECサイト「アマゾン」ではPS5が月に数回定価で入荷されるが、毎回アクセスが集中する。注文時にエラーも多発し、数分後には売り切れとなる。今まで5回ほど入荷後の注文に挑戦したが、買えなかった。
抽選販売はビックカメラで2回、GEOでは4回ほど、ソニーストアでは2回トライしたが、全て落選した。
一方、J-CASTトレンドが以前にも報じた通り、「ヨドバシカメラ」の「ヨドバシAkiba」(秋葉原駅前)や「新宿西口本店」・「マルチメディア新宿東口店」といった各店舗では、提携クレジットカード「ゴールドポイントカード・プラス」での支払いが必要になるものの、時折店頭にPS5が入荷される。
どうしてもPS5が欲しい。記者も21年8月末にカードに申し込み、同日中に審査が完了した。約10日後に郵送で手元に届いた。入会・年会費は無料だ。
9月18日土曜日の朝9時20分、カードを持って「ヨドバシAkiba」に足を運んだ。PS5目当てなのか、9時30分の開店前から数十人の並びがあった。開店後、6階ゲーム売り場へ訪れたが、PS5の入荷はなかった。
どの店舗にいつ入荷されるか、発表や告知はない。傾向を知るためツイッターを調べると、新宿西口本店では9月12日・日曜日の8時30分時点でPS5の販売があったとする投稿を目にした。再び入荷されるのではないかと推測し、今度は9月19日・日曜日、朝6時50分に新宿西口本店へ向かった。
6時50分、すでに数人の列があった
早朝の西新宿1丁目エリア。飲食店やヨドバシカメラの各店舗が立ち並ぶ繁華街だが、まだ人通りは少ない。一方、西口本店ホビー・おもちゃ館のシャッター前にはすでに5、6人が待機していた。本来は9時30分の開店だから、2時間以上も早い。「PS5の並びですか?」と記者が聞くと、客たちはうなずいた。記者と同じく、入荷があると考えているようだ。
不安を抱えながら記者も並んで待つ。本当に入荷されるのかは分からない。記者の後ろにも約10人の列ができた7時30分ごろ、ヨドバシカメラのスタッフが現れ、「みなさんPS5のためにお並びかと思われます」と切り出した。暇つぶしにスマートフォンをいじっていた客たちが視線を向ける。待ち望んだ瞬間だ。
PS5には通常版(定価5万4978円・税込、以下同)と、ディスクドライブがない「デジタルエディション」(4万3978円)が存在する。
この日は通常版が販売されること、購入には提携のカードが必要なこと、ヨドバシの他店でPS5の購入履歴がある人は買えない旨を説明。店舗左側に並ぶように列を整理し、整理券を配布した。このまま、開店準備の完了まで並び続けられる人にしか販売しないとのことだ。トイレや飲み物の購入のため、前後の客に断わって数分離れる場合は例外的に認められる。
その後も新たな客に整理券が配られ続けたが、8時20分ごろに完売を告げる札が最後尾に立てられた。この時までに約40人が並んでいた。
本来は9時30分開店だが、ゲーム売り場のみ8時34分ごろにいち早く開店し、店内への入場が始まった。順番にレジに誘導されると、それぞれがPS5や周辺機器を提携カードで購入し、持ち帰っていった。
本体は5万4970円だった。同日のメルカリだと、PS5通常版は8万9000円といった価格で転売されていた。ある程度手間はかかるが、どうにか購入したいならヨドバシカメラを利用するのも手かもしれない。