いきなり高級和風旅館へ
気付くと記者は「雅な空間」にいた。高級和風旅館内の一室のようだ。開け放された障子の向こうには「宿場町」を思わせる町並みが広がっており、暮れなずむ空の下、各宿があたたかみのある光を灯している。
しばし、時を忘れて見入ってしまった。ここはもうVR空間だ。Quest2のホーム画面。各コンテンツへの橋渡しをする玄関口にあたる。一瞬にして、旅行気分が味わえた。
東さん「驚きましたか? 他にもさまざまな空間が用意されていて、設定から好きなものに変えられますよ」
VR初心者としては「もう満足しそう」だが、腰を落ち着ける前にやっておくべきことが一つある。チュートリアル「はじめてのQuest 2」の体験だ。
実際に体を動かしながら「Oculusで、できること」を体験し、コントローラーの使い方を学んでいく。ラジコンで飛行船を操作したり、卓球のラケットを握って球を打ったり、拳を作ってパンチングマシンを殴ったり...。
東さん「VR上にあるものを持ちたい時は、基本的にコントローラーをそちらへ向けて、トリガーを引けばよいのですが、最初はイメージ通りにさっと動くのが難しいです。『はじめてのQuest 2』では色々なギミックが用意されているので、遊びつつ体にしみこませていきましょう」
キュートなロボットによるレッスンもある。リズムに乗って、しゃがんだり、両手を動かしたり、ダンスをしたりするのだが、これがなかなか楽しい。東さん(現実世界にいる人)からは、記者がこんな風に見えていたようだ。
かくして、VR世界への扉が開かれた。ゲームで遊ぶだけでなく、VR向けSNSアプリ「VRChat」内で日々開催されているイベントに参加して、他のユーザーとの交流も楽しめるようになる。
ただ「はじめの一歩」を踏み出したとは言え、「VRを楽しむ達人」には程遠い。引き続き、東さんにご指導・ご鞭撻いただきながら、以降はVR世界の面白い「ヒト・モノ・コト」にフォーカスしていく。
プロフィール
〇東智美(ひがし・ともみ)株式会社トーモ/株式会社往来 代表取締役
2009年、ウェブ・グラフィック制作を主要事業に東京都港区に株式会社トーモを設立。16年に自社ブランド「RAKUNI」をつくりスマホアクセサリーの販売事業を開始した。2021年3月にメタバースでのマーケティングや調査を手掛ける株式往来を立ち上げ、3月25日にエムディエヌコーポレーションより『仮想空間とVR』を上梓。
媒体やブロガーとのメディアリレーションを得意分野とし、自らも「flick!」「日経クロステック」などに連載を持ち、「FNNプライムニュース α」の海外テックイベントのレポーターを務めるなど、ネットや媒体を積極的に活用した販促活動を行っている。