国をまたいで治験
厚生労働省のウェブサイトによると、国内で使用されているワクチンについては、事前に日本でも臨床試験が行われており、その結果が公表されている。
「日本人の健康成人約250人を対象に、ワクチンを接種する人とプラセボ(生理食塩水)を接種する人に分け、標準(承認された)用量を4週間の間隔で2回接種しました。その後、2回目の接種から28日後の、血清中のスパイクタンパク質に対する特異的抗体及び中和抗体の増加状況を確認しました」(アストラゼネカのワクチン)
「日本人の健康成人160人を対象に、ワクチンを接種する人とプラセボを接種する人に分け、約3週間の間隔で2回接種しました。その後、2回目の接種から1カ月後の、血清中の新型コロナウイルスに対する中和抗体の増加状況を確認しました」(ファイザーのワクチン)
一方で、今回の中国のケースと同じように、日本の医薬品メーカーが開発中のワクチンについて海外で臨床試験を検討しているケースもあるとされる。すでに塩野義製薬が、最終段階の臨床試験を東南アジアなどで実施する方向で検討していることなどが報じられている。国をまたいで治験するというのは、創薬の世界ではよくあることのようだ。