賞金3.3億円「ブレークスルー賞」 ノーベル賞「前哨戦」で日本人2人選ばれる

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コロナワクチンの開発者も

   今回、ブレークスルー賞の生命科学部門の一人には、独ビオンテック社のカタリン・カリコ博士が選ばれた。同社は米ファイザー社と新型コロナワクチンを共同開発したことで知られる。実際に開発をリードしたのはビオンテック社だといわれている。

   重要な働きをしたのがカリコ博士だ。NHKによると、ハンガリーで生まれ育ったカリコ氏は大学で生化学の博士号を取得。同国の研究機関で働いていた。しかし、研究資金が打ち切られたことから1985年、夫と娘の3人で米国に渡る。

   ペンシルベニア大学などで、今回のワクチン開発の中核原理となった「mRNA」の研究をしていたが、苦難の連続。2005年になってようやく、当時の同僚らと革新的な研究成果を発表、さらに08年にも追加発表した。

   論文は当時あまり注目されなかったそうだが、ビオンテック社がこの研究の価値に気づいた。カリコ博士は13年に同社に招かれ、19年からは上級副社長も務めている。

   NHKによると、米モデルナ社のワクチンも「mRNA」を用いているという。カリコ博士の研究が、コロナ禍で苦しむ世界の多くの人々を救ったことになる。

   博士はすでに昨年、米国の医学賞、ローゼンスティール賞を受賞している。ノーベル賞受賞者が多く受賞している賞だ。今回ブレークスルー賞は、ペンシルベニア大学時代の共同研究者も受賞している。

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