朝食やお弁当のおかずとしておなじみの「ウインナーソーセージ」。食べるときは「焼く(炒める)」か「ゆでる」人が多いだろう。
調理方法によって、味に差は出るのか。伊藤ハム米久ホールディングス広報室の篠原栄晃さんに取材し、両者の違いと「ウインナーをおいしく食べるコツ」を教えてもらった。
食感や風味に違い
篠原さんによれば、「焼くのとゆでるのとでは、食感や風味に違いがある」と考えられるそうだ。
まず、炒めた場合。ウインナーからにじみ出た脂や肉汁を、「うまみ」としてしっかり感じられる。調理時はフライパンに油をひかず、ウインナーをそのまま「中火」で炒めるとおいしく仕上がるという。火が強いと焦げて皮が破れるため、注意しつつ「転がしながら焼く」のがポイントだ。
一方、ゆでた場合は、さっぱりした仕上がりに。篠原さんは「脂っぽいのが苦手な方には、ゆでて食べること」を勧める。しかし、ゆでた湯にうまみが逃げてしまうのが少しもったいない、とも。おいしくゆでるには、皮の破裂を防ぐために「沸騰しない程度の湯で約3分温める」のがコツだ。
では、弁当に入れて持ち運ぶ場合はどちらが適しているのか。答えは「どちらでも、おいしく召し上がれます」。ただ、伊藤ハムでは、炒めた方が比較的おいしく仕上がるような設計の商品もあり、場合によっては「焼き」を推奨しているそう。加熱後は「しっかり冷ましてから詰めてほしい」と篠原さん。熱いままだと弁当箱の温度が下がらず、他の食材が痛む可能性がある。
おいしく食べるポイントは他にもある。焼くとき、ゆでるときのいずれも、ウインナーには包丁で切れ目を入れないほうがよい。「おいしい肉汁が流れ出てしまうため」だ。
実は生で食べられる
ツイッターには、ウインナーを「電子レンジ」で加熱する人もいた。篠原さんに聞くと、「電子レンジでも調理可能」。ただし、加熱しすぎると皮が破けたり、はじけたりする場合があるため、加熱時間などは各商品のパッケージを確認してほしい、と説明した。
最後に、篠原さんにイチオシの食べ方を聞いた。返ってきたのは、なんと「生」だ。ウインナーは加熱済みの食肉製品のため、実は「そのまま食べられる」という。たしかに伊藤ハムの公式サイトには、パッケージの一括表示に「加熱食肉製品」と表示されている商品はそのまま食べられる、との説明がある。
「冷酒のお供に、そのままお召し上がりいただくと、いつもと違った味わいがあり、私のおすすめです」
と話した。ほかには、ウインナーからうまみがでるため、これからの時期は鍋やおでんの具材にしてもおいしいそうだ。