和式トイレを見かける機会が少なくなった。若い世代には、ほとんどなじみがないかもしれない。ツイッターでは最近、職場の和式トイレが原因で新卒が辞めたという、にわかには信じがたい話が出ていた。
J-CASTトレンド記者は、住宅設備メーカー大手・TOTOに取材。和式トイレの現状について聞いた。
個人向けに販売しているが
地方出身の記者は、祖父母の家がくみ上げ式のいわゆる「ポットン便所」だった記憶が残っている。小学校の校舎は和式トイレのみが設置されており、中学・高校でも洋式トイレは少なかった。しかし、上京後は和式トイレをほぼ見かけない。
東京生まれ・育ちの20代男性に聞くと「小・中学校で、和式トイレはありました。でも人生では1回しか使ったことない」。ただ「半年以内に、都内の公園で見かけた」という。神奈川県出身の20代女性は、「2~3年前に公園で見た気がする。でも、普段から和式を避けているから、見ているかもしれないけど覚えていないだけだと思う」と話した。
TOTO広報は取材に、
「(和式トイレの)生産は継続しております。ただ、洋式がほぼ100%で、和式は約1%です」
と答えた。発注元は「公園や公立の学校、一部交通機関」だという。個人向けの販売も行っているが、「採用されたという話は、あまり聞いておりません」。
洋式はたびたび改良が見られるが、和式では「進化があっても、節水面くらいだと思います」とのことだ。
和式から洋式に変える活動
近年は、和式を洋式に変える工事が行われている。段差のある和式便所を壊さず、改造する「スワレット」も。郊外で商売を営むところなど、一定の需要があるそうだ。
TOTOは、トイレ関連企業6社が参加の「学校のトイレ研究会」に所属している。同社広報によるとこの研究会では、学校で、和式から洋式に変える活動を行っているという。「学校のトイレ研究会」研究誌によると、和式トイレでの水を撒く掃除方法は、菌が繁殖しやすく、悪臭の原因であるアンモニアのしみこみの要因にもなっているためとの説明だ。
(2021年9月14日正午追記)TOTOより数字の訂正の連絡があり、修正しました。