冷蔵庫で保存していたブロッコリーから、どことなくすっぱいニオイがする...。賞味期限は切れていないはずだが、食べても大丈夫なのだろうか。
石川県内のブロッコリー作付面積の約3割を1社単独で占める安井ファーム(石川県白山市)に取材した。過去にも、J-CASTトレンドに「ブロッコリーを野菜室に入れないで」「ブロッコリーのゆで汁は、油膜が張っていても使える」と教えてくれた農業法人だ。
酸素が薄い状態で息をすると...
「結論から申し上げて、食べても『オッケーブロッコリー』です。傷んだり腐ったりしているわけではありません。ブロッコリーは酸素が薄い(無い)状態で呼吸するとガスを出すのですが、これがニオイの原因になっています」
安井ファームの広報担当は、こう答えた。カギは「輸送時」にある。
「ブロッコリーは収穫後も呼吸しています。呼吸に伴って劣化も進むため、輸送するときは発泡スチロールに氷詰めするスタイルが一般的です。発泡スチロールは密封されているため、箱内の酸素量は限られています。そこから呼吸によって酸素は消費されるため、時間と共に酸素が薄くなっていき、ガスを出すようになるのです」
さらに、ブロッコリーは保存温度が高いほど呼吸量が増える。氷が溶けると温度が上がるため、輸送距離が長くなるほどガスが出る可能性も高まると考えられる。前出の広報担当はニオイについて、「人それぞれ感じ方はさまざまですが、ツイッターのフォロワーが『漬物のよう』と表現したことがある」と話した。
また、「石油や消毒液を思わせるニオイ」を放つこともあるという。アブラナ科の野菜には辛み成分の素となる物質が含まれており、切ったり茹でたりした際に「内在する酵素と反応することで、刺激性の強い香味成分へと変化する」ためだ。