重症化を防ぐ
NHKによると、「抗体カクテル療法」は「カシリビマブ」と「イムデビマブ」の2種類の抗体を混ぜ合わせて投与する。新型コロナウイルスの働きを抑える効果があり、軽症の人の重症化を防ぐことを目的に日本でも2021年7月、初めて軽症患者に使用できる治療薬として承認された。
先に海外で行われた臨床試験では、入院や死亡のリスクをおよそ70%減らす効果が確認され、米国FDA(食品医薬品局)が2020年11月、緊急の使用許可を出している。その前の2020年10月には、トランプ前大統領が新型コロナウイルスに感染して入院した際にも使われた。
日本ではこのほか3つの治療薬が承認済みだ。「レムデシビル」「デキサメタゾン」「バリシチニブ」だ。どれも主として中等以上や重度の症状の患者が対象。これに対し、抗体中和療法は軽度の患者にも使えるということで、医者にとっても患者にとっても治療薬の選択肢が大きく広がることになった。