日本は「安い」「貧しい」「転落する国」 厳しい評価の本が続出する背景

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「規制緩和」が拍車

   日本はいつからダメになったのだろうか。そのことをテーマにしているのが経済評論家、森永卓郎さんの『なぜ日本だけが成長できないのか』(角川新書、18年12月刊)だ。森永さんによれば、「日米同盟」の名のもとに、長い時間をかけて日本は米国に叩き売られてきたのだという。

   世界のGDP(国内総生産)に占める日本のシェアは、1995年には17.5%に達していた。しかし、その後は転落を続ける。2010年には8.6%、16年には6.5%まで落ち込んだ。この日本空洞化は3段階で進み、最終段階の「規制緩和」が拍車をかけたと見る。森永さんはテレビで見ている限り温和な印象だが、本書はなかなか手厳しい。

   著名な経済学者、野口悠紀雄さんの『平成はなぜ失敗したのか』(幻冬舎、19年2月刊)も同じような視点に立つ。平成は、日本経済にとって「失われた30年」だったと分析。それも、「努力したけど取り残された」ではなく「大きな変化が起きていることに気づかなかったために取り残された」と見る。


   経済学者、金子勝さんの『平成経済 衰退の本質』(岩波新書、19年4月刊)も、衰退の源流を平成、さらにはそれ以前の「日米半導体交渉」にまでさかのぼっている。金子さんは10年に、児玉龍彦・東京大学先端科学技術研究センター名誉教授と共著『新興衰退国ニッポン』 (現代プレミアブック)を出版、早々と「日本の衰退」を指摘している。児玉さんはコロナ問題の論客としてテレビで見かける機会も多い。

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