暑い夏が終わり、いよいよ「食欲の秋」到来――。とはならず、涼しくなってから逆にからだのだるさや、不調を感じていませんか。
夏の暑さにやられて「夏バテ」を経験したことがある人は多いだろう。秋口に差し掛かった際に感じる不調はひょっとすると、「秋バテ」かもしれない。
夏の疲れが秋にやってくる
秋バテには、疲れやすい、食欲不振、めまい、肩こりなど、様々な症状がある。クラシエ薬品が2021年8月に行った調査では、全国の20~70代の女性199人のうち、約6割が「秋バテ」を経験していた。
文部科学省が後援する「健康管理能力検定」の公式サイトでは、秋バテについての予防法が紹介されている。秋バテは、「温度差による自律神経の乱れ」や、夏の間に冷たいものを摂取して起きる「内臓冷え」、涼しくなり水分補給の意識が薄れがちになる「水分不足」などが原因にある。
予防するには、からだを冷えから守ることが大切だ。前述の公式サイトでは、ぬるめのお湯にゆっくり浸かり、体を中から温めることを勧めている。自律神経の乱れを整えられ、血液の巡りも良くなる。また、飲み物は常温や温かいものにして、ネギ、ニラ、ショウガ、ニンニクなど体を温める食材を食事に取り入れよう。
生活が変化する春、寒くて忙しい冬
バテるのは、夏と秋だけではない。「春バテ」と「冬バテ」もある。
「春バテ」も、寒暖差によって自律神経の切り替えがうまくいかなくなり、「疲れ」や「だるさ」を感じやすくなる。また、春は入学・卒業、異動、転勤など、生活が大きく変わる季節でもある。自分でも気がつかないうちに緊張感やストレスが生じて症状に現れるようだ。
「冬バテ」はなぜ起きるのか。「サントリー健康情報レポート」の公式サイトによると、夏バテは暑さと冷房による温度差で自律神経がへとへとになってしまう。一方、冬バテは寒さと多忙などによるストレスで交感神経ばかりが高くなり、緊張状態が続くことで不調になるという。寒さに加え、忘年会などで忙しい時期でもあり、内臓にかかる負担も大きくなる。「やる気が出ない」「寝つきが悪い」「イライラ」など様々な症状を感じるようになる。
防ぐには、やはり体を温め、急に冷やさないことが重要とのこと。ほか、適度な運動と規則正しいバランスの取れた食生活を送ることも、心がけると良いそうだ。
春夏秋冬、季節の変わり目は、からだのサインを見逃さないようにしよう。