中国製ワクチン「デルタ株」には有効か 「ブースター接種」に向け改良進む

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「追加接種で抗体10倍以上に増加」

   1月にワクチン接種が始まった中国では、接種回数が20億回を超えた。次の課題は、2回目の接種から半年を迎える人々への追加接種だ。

   シノバックは中国メディアの取材に、ガンマ変異株とデルタ変異株に効果のあるワクチン開発の臨床前研究が大詰めを迎えていると明かした。同時に、3回目の接種で抗体が大幅に上昇するとの研究結果も示した。

   鍾南山氏は8月、接種半年後にはどのワクチンも効果が低下するとし、「追加接種によって抗体は10倍以上に増える。高齢者への効果は特に大きく、抗体は30倍以上になる」とブースター接種に前向きな姿勢を見せた。中国当局の責任者も先月下旬、感染リスクが高い職業に就いている人や高齢者のブースター接種を推奨する発言をしており、この秋は「3回目接種」が本格化しそうだ。

【連載】浦上早苗の「試験に出ない中国事情」

浦上早苗
経済ジャーナリスト、法政大学MBA兼任教員。福岡市出身。近著に「新型コロナ VS 中国14億人」(小学館新書)。「中国」は大きすぎて、何をどう切り取っても「一面しか書いてない」と言われますが、そもそも一人で全俯瞰できる代物ではないのは重々承知の上で、中国と接点のある人たちが「ああ、分かる」と共感できるような「一面」「一片」を集めるよう心がけています。
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