教科書には古典的なものや、芸術的な曲が選ばれたりするイメージもある中、J-POP・ロックからの有名曲の採用はツイッター上で話題となった。ポピュラー音楽の選出基準を聞いた。
ポピュラー音楽増えた
教育芸術社編集部の担当者によると、掲載曲は文部科学省の学習指導要領に基づいて選ばれる。指導要領では、小中学校・高校と、それぞれの子どもの発達段階に応じた曲を用いるように定められている。高校生では「ポピュラー音楽」(大衆楽曲)をはじめとする多様な音楽を使用する方針がとられており、教材として成立するかを検討しながら曲を選んでいく。
ポピュラー音楽から選ばれる基準は、「生徒たちが親しんでいる身近」な音楽が挙げられる。
近年、生徒たちの音楽を学習するモチベーション向上を図る中で、生徒によって身近な曲を使って「とにかく声を出して、スムーズに音楽に入っていけるようにしたい」という要望が教育現場の教員から寄せられているという。こうした背景から、「(西暦)2000年より少し前」からポピュラー音楽が音楽の教科書に採用されることが増えたとのことだ。
今回の教科書の編集の背景には、世のポピュラー音楽の楽曲数も充実してきた中で、「質の高い作品を紹介したい」という思いや、「生徒たちの多くが知っている最新の曲を取り上げたい」という考えがあった。こうしてピックアップされたのが「Lemon」だ。
フジファブリックは2000年に結成されたロックバンドで、「若者のすべて」は07年のリリース。「夏の終わりの最後の花火大会」をモチーフにしており、何人もの有名ミュージシャンにカバーされている。編集部の間では知っている人は少なかったものの、候補に上がった時に「とてもいい曲」だと感じたことや、ギターを伴奏にしても弾きやすいといった理由から選ばれたという。