「レトルトカレー」は一般的に、電子レンジか、沸騰したお湯で温める「湯せん」が調理方法としてパッケージに記載されている。
この2つで、出来上がりの味に差が出たりするのか。レトルトカレーの「おいしい作り方」を、カレーに詳しい専門家に聞いた。
電子レンジ非対応のパウチなら
J-CASTトレンドは、カレーの文化や調理法について講座を開いている「カレー大学」の専門家に取材した。
まず、たいていのレトルトカレー製品は、パウチをじかにレンジでは温められず、一度カレーを器に移し替える必要がある。一部、レトルトパウチ自体が電子レンジに対応しておりそのまま加熱できるものも存在する。
電子レンジ非対応のパウチを使っているカレーは「湯せんで食べた方がいい」。器に移して電子レンジで温めると、スパイスの香りが飛ぶほか、水分が蒸発し、カレーの端部分が乾燥するなど、食感が変わる。また熱は均質に通らず、スプーンで混ぜると全体の温度も下がってしまうという。湯せんなら、これを防げる。
一方、新宿中村屋やエスビー食品、ハウス食品といった大手メーカーが出している電子レンジ対応パウチのカレーは、レンジ用に細かく研究されているため、レンジ加熱でも湯せんでも基本的に味に違いはないとのことだ。箱ごと温められるため、ほとんど手間がかからない点がメリットとしてあるという。
パウチ開封前に両端をつまんで回転
スパイス料理研究家の一条もんこ氏も、「基本的に(一般的なレトルトカレーの)金属パウチは湯せんがおすすめ」と話す。レンジ加熱は湯せんよりも加熱時間が早く、鍋等の調理器具がなくても温められるメリットはあるものの、加熱にムラができやすい。また、「加熱しすぎると水分が蒸発して味が濃くなってしまう」ほか、油分が浮いて味が変わってしまうことも。
ただ、レトルトパウチがレンジに対応しているカレーの場合は、パッケージ説明書きに従ってレンジで作った方が「早くておいしい」と評した。
湯せんの場合、加熱後、パウチを開ける前に両端をつまんで2、3回転するようにパウチをひっくり返すといいとアドバイスをくれた。カレーの中の油がソースになじみ、「舌触りが滑らかになります」。