アストラゼネカ製や国産の使い道
河野大臣が「交差接種を検討」などと発言している背景には、「ブースター接種」の問題がある。当初ワクチンは2回打てば安全、と言われていたが、デルタ株のまん延や、ワクチン自体の有効期間が短くなってきたことから、各国で「3回目=ブースター接種」が始まっている。
河野大臣は、やがて日本でも3回目の接種が行われるようになる、そのためのワクチンは確保していると明かしている。しかし、現在進行形のワクチン騒動でも明らかなように、予約済みの海外製ワクチンが順調に入ってくるか、不安が残る。一方で、日本はアストラゼネカ製のワクチンをすでに大量に入手しているが、利用が限定されている。そのため、「3回目」などをアストラゼネカで埋め合わせることが出来ないか、という考えが浮上する余地はあった。
しかし、厚労相を務めたこともある加藤官房長官は、「治験」という科学医療上のエビデンスにこだわり、交差接種が簡単ではないことを示した。
今後もコロナが長引くとなれば、さらに多くのワクチンが必要になることが想定される。時期によってはワクチンがひっ迫、開発中の国産ワクチンを割り込ませて使用することも考えられる。あらかじめワクチン同士の相性などを検討しておく必要があることは確かだが、ワクチン後発国の日本リーダーシップをとるのは難しそうだ。