デルタ株急拡大で状況一変
各種調査結果によると、確かに若者は高齢者よりもワクチンにネガティブな人が少なくないが、若者全体の中では少数派だ。しかも、いずれの調査も7月中旬以前に行われている。
その後のデルタ株の急拡大で状況は一変した。日本では、高齢者へのワクチン接種が進んだ一方で、若者への接種が遅れた結果、今では新規感染者の多くを10~30代が占めるようになっている。デルタ株は感染力が桁違いに強力だ。20代や30代でも重症化して亡くなるケースが報道され、若者たちの間では以前より危機感が高まっている。
米国ではこのところワクチンの安全性に対する新たな指針が次々と公表されている。8月11日には、米疾病対策センター(CDC)が妊婦に対するワクチン接種について安全性が確認できたと発表した。日経新聞によると、「CDCはこれまで妊婦は希望すれば接種を受けられるとしていたが、より積極的に接種を奨励する『推奨』に勧告を切り替えた」という。
また、米国食品医薬品局(FDA)は23日、製薬大手ファイザーの新型コロナウイルスワクチンを正式に承認した。これまでは「緊急使用の許可」だった。
ワクチンに対する考え方は、コロナの感染状況や、ワクチンへの信頼度で変わる。現時点で改めて日本の若者に調査すれば、以前よりも前向きになっている可能性もありそうだ。