サウナは、北欧フィンランドが発祥とされる蒸し風呂だ。実は日本でも、現代こそ「風呂」といえば浴槽に湯を張るスタイルだが、遠い昔は蒸し風呂のことを指していたという。
近代になって、再びサウナが日本に登場したのはいつ頃か。その歴史を探っていくと、オリンピックが深く関係していた。
6世紀に仏教の伝来とともに
住宅設備大手LIXIL(リクシル、東京・江東)の公式サイトでは、蒸し風呂を、6世紀に仏教の伝来とともに伝わってきたと説明している。奈良時代には、寺院が、貧しい人々に浴室を開放する「施浴(せよく)」が盛んに行われるようになったとのこと。香川県さぬき市にある古代サウナ「塚原のから風呂」は、奈良時代に活躍した仏教僧・行基がつくったとされている。
湯に漬かる方式ができたとされているのは、江戸時代。だが、蒸し風呂式であった銭湯が、現代のようなスタイルに変わったのは、明治時代に入ってからという。