海洋環境を汚染
プラスチックごみへの対応は近年、世界的な課題となっている。漂着したクジラの胃からから大量のポリ袋やプラスチック製のカップが見つかった映像がセンセーションを巻き起こした。一頭のクジラの胃から、8キロのプラスチックごみが見つかったこともあった。
『クジラのおなかからプラスチック』(旬報社)によると、使い終わってごみになったプラスチックは、埋めたり、燃やしたり、リサイクルしたりする必要があるが、実態として生産量の1.7~4.6%が海に流れ込んでいるという。プラスチックごみは、2050年に海の魚の重量を超えるといわれているそうだ。海洋環境汚染の張本人となっている。
特に最近問題になっているのがマイクロプラスチックだ。プラスチックは紫外線や酸素、水の力などで劣化し、次第に細かく砕かれ分解され、小さな破片になっていく。長さが5ミリ以下になったものをマイクロプラスチックという。あらゆるプラスチックがマイクロプラスチックになっていく。これらを、プランクトンだと思って魚が呑み込んでしまう。東京湾のカタクチイワシの8割から見つかっているという。食物連鎖でさらに大きな魚に吸収されるから、いつの間にか私たちもマイクロプラスチックを食べることになる。