打ちたくても打てないのに――。新型コロナウイルスのワクチン接種で、若者が悲鳴を上げている。
東京都は2021年8月27日、渋谷で「東京都若者ワクチン接種センター」の運営を開始した。対象者であれば、予約なしでワクチン接種が受けられる。しかし、初日は早朝から若者が殺到して大行列。早々に受付が打ち切られた。
朝9時頃に行くも「これは無理だな」
東京都福祉保健局の公式サイトでは、事前に受付開始時刻は11時50分と告知されていた。だが、7時半の時点で300人以上が並び、受付が終了した。中には深夜1時台から並んで、徹夜した人までみられた。これを受けて、東京都の小池百合子知事は27日の会見で、翌日分からは「抽選形式に切り替える」と話した。
J-CASTトレンドは、同日会場へ行ったが接種できなかった20代女性を取材した。職場が渋谷にあり、先輩の勧めで朝9時頃に会場へ行ったが遅かった。「会場の外にスタッフが複数いて、(女性と同時刻に)来た人に(受付は)終わったと言っていました」。女性は「これは無理だな」と悟り、その場を離れた。周辺には接種に来た人や、報道陣などが大勢いたと話す。
「ニュースを見たら7時半で終わったと言っていて、驚きました。9時頃に行けばさすがに大丈夫だろう、と思ってた...」
と漏らした。すでに接種を終えた人が周りに多く、まだ打てていないことに焦りを感じているそうだ。
同日付NHK NEWS WEBによると、都の担当者は「接種をためらう若者が多いということだったので、ここまで並ぶとは想定できなかった」と話したという。しかし、実態は異なるようだ。J-CASTトレンドの取材でも、多くの若者がワクチン接種を求めている様子だった。
接種可能人数は1日200人程度
接種のスピードは各自治体によって異なる。1回目の若者の接種率で比較してみよう。東京都では、台東区が2021年8月27日時点で、20代は48.1%、30代は54.1%だ。一方、品川区では23日時点で20代が25.3%、30代が29.7%となっている。
今回設置された若者ワクチン接種センターは、自治体とは別枠での接種となる。16~39歳の都内在住または在勤・在学者が対象。2021年10月8日まで、土日、祝日を含めて休館日以外は毎日実施予定だが、接種可能人数は1日200人程度と少ない。