東京五輪の夜空を彩ったドローン アフガンでは兵器としての「裏の顔」

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ベトナムに従軍

   バイデン大統領は8月16日、アフガニスタンからの米軍撤退について語った。そのスピーチの全文翻訳を「東洋経済オンライン」が公開している。

   大統領は、「私が若いころベトナムに従軍したとき、われわれの指導者はベトナムで命を懸け続けることを求めた」と自らのベトナム従軍に触れている。そうした自身の不条理な体験を踏まえて「私はアメリカ軍に、他国の内戦で際限なく戦い続けて、死傷者を出し、人生を変えるような傷を負い、家族を悲しみと損失で打ち砕くことを求めることはできないし、求めない」と、大統領として決断したことを明かしている。

   1975年、ベトナム戦争で米国は敗れ、米大使館の職員らがヘリコプターでサイゴンから脱出した。その時と今回の撤退は似ているともいわれるが、決定的に異なるところがある。ハイデン大統領はスピーチの最後のあたりで、以下のように警告している。

「われわれは、恒久的な軍の駐留がない複数の国で、テロリストグループに対する効果的な対テロ作戦を実施している。必要であれば、アフガニスタンでも同様の活動を行う」

   タリバンは山岳地帯の秘密アジトからカブールの大統領府に移った。非公然から公然の世界へ――今や幹部たちの行動は白日の下にさらされ、米国の「戦争マシン」の監視下にあるといえる。カブールの上空には時として、国籍不明のドローンが舞っているかもしれない。タリバンは、大統領の演説の最後の部分に、最も神経をとがらせたはずだ。

   ベトナム戦争から半世紀が過ぎて、ITシステムによる監視・攻撃能力は飛躍的に進化した。それが、新たな戦争の抑止力にもなっていることをタリバンも米国もおそらく知っているに違いない。

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